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皆さん、新年おめでとうございます。 近年、国は、戦後の我が国を支えてきた政治、行政、経済などの基本的な制度を抜本的に改革する施策を強力に推進しております。 その一環である教育制度についても教育基本法の見直し、学校経営の規制緩和など構造的な改革が進められています。特に、新年度から実施される国立大学の独立行政法人化や認証評価機関による第三者評価の義務付けとその公表は、かつて「象牙の塔」と評され、俗世間から遊離しているとみられていた大学に、大きな変革を迫るものと言えます。 幸いに、本学はこのような時代の潮流を見据え、絶えず「個性重視」と「適性発見」に向けたカリキュラムの見直し、学部学科の改編、大学院研究科の設置等による教育研究内容の質的向上、経営及び事務組織の再編による経営の効率化、施設設備、備品の整備拡充等本学の改革を積極的に進めてきました。その結果、本学は、沖縄の私立大学の雄としての地歩を築くまでに発展してきました。 新しい年において、本学が更に一体となって、なお一層の発展に寄与されんことを祈念して、年頭のごあいさつといたします。 |
本年2月に本校友会は創立30周年の節目を迎えます。 1974年2月23日に本校友会は設立され、母校と共に発展してきました。ここに至るまでには、校友先輩方のご努力と大学当局をはじめ多くの関係者の皆様のご支援がありました。 本会の30年の歴史の節目に立って、その来し方を振り返り、築かれた歴史を礎に新たな未来への出発点として、意義ある節目にしなければならないと強く望むものであります。 連綿と流れる歳月の一時点一時点が線となって、歴史を織りなしていきます。容赦なく過ぎ去る「時」に価値を付加して重みをつけた史実を次の節目、次の世代につげることが「今」を担う私たちの役割だと考えます。時は移り、人は変わっても校友会組織は有機的に機能し続けます。一般社会もまた然りです。若い学生の皆さんは未来の社会を担い、また歴史を築く使命を負っています。歴史は単なる時の経過の結果ではありません。価値ある史実として、後世に受け入れられるものでなければなりません。未来は不確実であるが、過去は厳然たる事実として残り、評価を受け、価値あるものは歴史として後世に受け継がれていきます。不確実な未来を価値あるものにするために、今、何をしなければならないか、よく考え、実行しなければなりません。個々人の歴史も自らの努力によって決定づけられます。 人は一生努力しなければなりません。特に若い世代の努力は人生を決定づけ、社会を左右します。人の努力は何を心のよすがにするかによって、強弱・方向性が左右されますが、私は次の漢詩に共感を覚えます。「盛年(せいねん)重ねて来らず、一日(いちじつ)再び晨(あした)なりがたし、時に及んで当(まさ)に勉励すべし、歳月は人を待たず」陶淵明(中国の詩人)。 |