学長
渡久地朝明


−学生諸君の大いなる活躍に期待します−

新年明けましておめでとうございます。平成17年、2005年の幕開けです。今年こそは明るい良い年であって欲しいと思います。昨年は真に災害の多い年でした。日本列島に上陸した台風の数もこれまでの最多記録だったようです。それによる被害も甚大でした。兵庫県の大水害は言うに及ばず、中越地方の大地震の被害も実に痛ましい限りです。国外ではスマトラの大津波ですが、これは被災者数が16万余人という空前の大災害でした。そして何より、あるべきことか本学に米軍ヘリコプターが墜落したのです。「禍福は糾える縄の如し」と言いますから、今年はきっと吉事の重なる明るい良い年となるよう祈りたいものです。特に沖縄国際大学はヘリコプターの墜落によって計り知れないほどの被害を受けたわけですから、それを償って余りあるほどの大いなる幸福を迎えたいと思います。本学の教育研究の内容が益々充実し、公務員・教員採用試験、その他諸企業の就職試験合格者数の大幅増加により学生諸君の就職状況が格段に良くなり、スポーツの分野でも本学の学生が大いに活躍して本学全体が躍進するような年になって欲しいと思います。
 朗報をご紹介しましょう。本学の後援会・校友会の皆様から真新しいマイクロバスが寄贈されました。校友会と後援会の皆様には感謝の気持ちでいっぱいです。これで学生諸君の学外ゼミが一層活発になるでしょう。それから、いよいよ待望久しい第6駐車場が完成しました。場所は第1駐車場の近くで学生諸君にとって便利なところです。165台の駐車が可能です。当分の間、舗装はせずに土のままで我慢をしてもらうことになります。理由は、今舗装をすると下の土が柔らかいためにコンクリートのデコボコができて舗装にならなくなるからです。雨の日などは多少不便でしょうが、当分は簡易の状態で我慢をしてください。土が踏み固まった頃にアスファルトで舗装する計画です。第6駐車場のオープンによって本学の学生駐車場の広さは1,769台から1,934台に増加しますので、駐車場不足の窮状が少しは緩和されると思います。しかし、5,500名以上の学生の60パーセントもの学生が車を所有する現状では駐車場不足はなお続きます。大学としては今後も財政の許す限り、学生諸君のニーズに応えるべく最大の努力を続けていきますが、本学の周辺地域が急速に都市化したため駐車場に適する用地が収得しにくいこと、立体駐車場の建設には巨額の費用がかかること等から当分は現在の1,934台という駐車台数の範囲で対応してもらうほかありません。学生諸君には不便かも知れませんが、1,934台もの駐車場を学生のために提供している私立大学は沖縄県内には他に無いということを承知して欲しいと思います。不足の分は、学生諸君が毎日自分の車で登校するのではなく、週に何日かは公的交通機関の利用や友人と便乗を交換するなどの方法を講じて対応して欲しいと思います。
 平成17年、2005年、学生諸君には、勉強の分野、スポーツの分野、芸能の分野、どんな分野であれ、一所懸命に頑張れば輝かしい人生の活路が開かれることを信じて大いに奮起して欲しいと思います。皆さんのご活躍とご多幸をお祈りいたします。


後援会会長
池田光男


 皆さん!新しい2005年が明け、おめでとうございます。
 昨年は、内外における自然災害や人災の多発で「災」の年となりましたが、本学にとりましても消すことのできない最悪の年でした。
 それは、昨年8月13日に起きた米軍CH53D大型輸送ヘリコプターが本館に墜落し、激突・炎上した事故であります。この事故は本学、周辺住民、市民をはじめ県民に大きな衝撃と恐怖を与えました。人身被害こそ免れましたが、思うだけでも戦慄の走る大惨事を招きかねない事故でした。
 この事故によって本学の中枢機能のある本館は、使用不能となり、諸機能はすべて麻痺状態に陥りました。
 このような状況の中で、教職員は一体となって事故の対応に取り組みました。その結果、後期における教育活動は通常どおり進められております。ここに至るまでの教職員の寝食を忘れた労苦に対し、心から敬意と感謝を表する次第であります。
 後援会は校友会と緊密な連携のもと、本学の事故の対応を全面的に支援してきましたが、今後とも積極的に協力する方針であります。そして本学が直面する諸々の困難を乗り越えて一日も早く本館の改築を図るなど「災」を「福」に転じ、本学の更なる発展の契機とされるよう念じて止まない次第であります。
 


校友会会長
岸本惠常


 新年おめでとうございます。
 皆さんはそれぞれの立場で、そして、それぞれの思いをもって新年を迎えられたことと思います。
 しかし、私たち沖縄国際大学で学ぶ者にとっては、一つ共通の思いをもたなければなりません。それは、昨年8月13日、米軍ヘリが我が母校の本館に墜落した事故についてです。思い出したくない反面、忘れがたい、そして癒しがたい心的傷害を受けた事故です。日米地位協定の名の下で、私たちの「大学の自治」は著しく蹂躙されました。平穏な、そして神聖な私たちの学舎の地は招かざる客に土足で踏みにじられ、許しがたい、耐えがたい屈辱を味わされました。主権国家、法治国家としての現実の姿を目の当たりに、考えさせられる問題が多々あります。これからの日本の国を担って立つ学生の皆さんは、これらを生の教材として、教育に活かしていかなければなりません。
 国民の生命・財産を守ることは国家としての最低限の責務です。その国家の首長たる総理大臣は事故発生当時、レジャーに耽り、その報に接しても一顧だにしませんでした。また、事故現場を視察に訪れた就任間もない外務大臣は、たわい無い稚拙な発言を並べて帰りました。
 このように、資質を疑われるような我が国の首脳たちでも反面教師として捉えれば、これまた、師である。賢明な学生諸君は、あらゆる事物、あらゆる出来事を教材または教本として捉え、そこからいろいろなことを学び取ってほしいと思います。
 我が母校に負の歴史として刻まれたこの事故を一過の出来事で終わらせることなく、これにまつわる諸事象から多くの事を学び、大きく成長してほしいと願うものです。
 

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