沖縄国際大学の基本的姿勢と対応について

沖縄国際大学は、昨年の米軍ヘリコプター墜落事故以降、1.大学機能の回復、2.被害補償、3.事故原因の究明 を中心に対応を行ってきました。未だ対応に追われている最中でありますが、今一度、大学の立場を明らかにしておきたいと思います。
1. 大学機能の回復については、静かで平和な環境で学問研究・教育を追及することが大学の使命であり、それを破壊した今回の米軍ヘリコプター墜落事故は誠に理不尽で許し難い行為だと思います。そのため、「普天間基地を使用する全ての航空機の飛行停止」「普天間基地の即時撤去」を要請し、事故後、米軍の不法占拠により「大学の自治」が侵害されたことに対し、「日米地位協定の改定」を要求して参りました。それらを盛り込んだ抗議文を、米国大統領・米軍当局・日本国首相・防衛庁・外務省・沖縄県知事等、多数の関係公的機関に手渡し、或いは送付しました。また、本学を訪問した沖縄担当大臣・防衛庁長官・外務大臣・国会議員・政党関係者等々、多くの方々にも同様の要請を行ってきました。
2. 被害補償については、人的・物的・精神的被害の補償だけでなく、事務機能・教育機能・研究機能の中断による損失等、大学に及ぼしたありとあらゆる被害の補償を求めております。
3. 事故原因の究明については、今回のような事故を二度と起こさないためにも、米軍当局・防衛施設庁に徹底した究明と情報開示を求めております。
 以上のことに対応している中で、事故跡地、いわゆる「壁の保存」に関する議論が出てまいりました。この件については、現在、大学で検討中でありますが、大学としては今回のような理不尽なことが起こった事実を末代まで記録に残し、二度と起こさない抑止力としたいと思っております。元より「壁」をすべて壊し無くすることは考えておらず、「壁」を技術的に可能な限り残し、それを他の場所に保存して、本館の復元を優先させ、残し方については、あらためて議論していくという案を提示している段階です。現状のまま残せという意見もありますので、学内の民主的意思決定プロセスによって決めていければと思っております。これまで沖縄国際大学は、大学内外の多くの意見や要望に可能な限り耳を傾けてきました。
 現在、仮住まいの事務機能をはじめ大学機能が滞っているなか、復旧を急がねばならない事情もあります。本学は米軍ヘリコプター墜落事故に関する諸々の問題に今後も真摯に取り組み、民主的に解決していく所存ですので、何卒、ご理解を賜れば幸いです。(2005年2月9日)
米軍ヘリ墜落事件に関する本学の組織的対応(2004年12月10日以降)
[時系列]
2004年

12月10日(金)  七条内閣府副大臣一行 現場視察
12月10日(金)  広島三育学院高校・ハンドベル部コンサート
12月11日(土)  フィールドワークグループ“石敢當”一行 現場視察
          (連絡・調整)
12月11日(土)  福岡市立小中高校教員一行
          訪問・懇談・現場視察
12月15日(水)  第5回 米軍ヘリコプター墜落事件対策委員会
          (墜落事故跡地の取り扱いについて)
12月15日(水)  北海道・富良野高校生 訪問・現場視察
12月15日(水)  谷川外務副大臣一行 訪問・懇談・現場視察
12月19日(日)  OIU NO FLY ZONEコンサート(実行委員会主催)
12月20日(月)  大阪・千代田高等学校生(219名)
          訪問・現場視察
12月21日(火)  日本生協労連関係者(40名) 訪問・現場視察
          (連絡・調整)
12月24日(金)  第2回 国際共同シンポジウム参加者一行
          現場視察(連絡・調整)
12月27日(月)  那覇国際高校・1年7組 訪問・懇談・現場視察
12月27日(月)  埼玉県 飯能市 名栗村拠出金 管理運営委員会
          現場視察(連絡・調整)
12月28日(火)  米軍土壌調査結果 説明会へ参加
          (在沖海兵隊バトラー基地会議室)

2005年

1月 5日(水)  在沖海兵隊基地司令部に対し
         「米軍土壌調査結果に関する質問状」を送付
1月12日(水)  第6回 米軍ヘリコプター墜落事件対策委員会
          (対政府要請の基本姿勢について・
               ヘリ墜落現場の土壌入れ替えについて)
1月12日(水)  外務省・河相北米局長 訪問・懇談・現場視察
1月13日(木)  参議院 沖縄・北方特別委員会議員団
          訪問・懇談・現場視察
1月19日(水)  大野防衛庁長官・山中防衛施設庁長官一行 
          訪問・現場視察
1月20日(木)  千葉県立上総高等学校生 訪問・現場視察
1月28日(金)  沖縄県中小企業家同友会 関係者一行
          現場視察(連絡・調整)
2月 2日(水)  第7回 米軍ヘリコプター墜落事件対策委員会
          (墜落事故跡地の取り扱いについて)
2月 7日(月)  林消防庁長官一行 訪問・現場視察
2月 7日(月)  東京都 港区議会 総務常任委員会一行 
         現場視察(連絡・調整)
2月 8日(火)  江利川内閣府事務次官一行 訪問・現場視察



 このほど、広島三育学院高等学校の聖歌隊とハンドベル部の皆さんが本学を訪れ、愛と平和のメッセージを込めたミニコンサートを開催しました。広島三育学院高等学校は、その特色ある教育活動の中でも、とりわけ、音楽的分野を通しての人材育成で全国的にも高い評価を得ており、同高校の音楽部は毎年12月にクリスマスコンサートで全国を巡回し、各地でチャリティー演奏を行うなど社会奉仕活動にも積極的に携わっています。今回、沖縄県内でのコンサートに先んじて、8月の米軍ヘリ墜落事故によって被災した本学を訪問し、「平和都市・広島から、高校生の歌声とハンドベルに込められた愛と平和のメッセージを伝え、沖縄国際大学の学生・関係者の皆さんの心を癒したい」との申し出があり、同コンサートが実現しました。当日は、聖歌隊のメンバー85名とハンドベル部15名が「もろびとこぞりて」など賛美歌を含むクリスマスのスタンダードナンバーを披露し、地元の曲としてハンドベルによる「さとうきび畑」の演奏も行われました。聖歌隊の清らかな歌声とハンドベルの澄みきった音色が響き渡り、会場となった5号館ロビーは平和を願う荘厳な雰囲気に包まれました。


 12月19日、本学グラウンドにおいて「OIU NO FLY ZONEコンサート」が開催されました。今回のコンサートは、8月の米軍ヘリコプター墜落事件を受け、「軍用機の飛ばない空、戦争のない世界の実現を目指そう」というメッセージを本学から、沖縄、日本、そして世界へ発信することを目的に、学生と教職員からなる実行委員会が企画・開催したものです。
 コンサートの冒頭では、多くの参加者の心を1つにしようという発想から、地域の方々を含む数十名の参加者による三線の合奏を行い、平和を願うメッセージを安波節の調べに乗せて謳い上げました。引き続いてのステージでは、本学の音楽・芸能サークルの学生達が勇壮なエイサーや八重山芸能「マミドーマ」などを披露。ロックやポップミュージックも演奏されるなど多彩なプログラムが展開されました。また、本学の卒業生を含む多くのプロミュージシャンも参加し、コンサートを盛り上げ、音楽と芸能を通して平和を願う心を1つにしました。そして、フィナーレでは出演者らが「新しい平和の芽生え」を祈って、カラシナやニンジンの種が入った風船を大空へと飛ばしました。

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