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私立学校法の第47条第2項改正に伴い、事業報告書の開示が義務付けられ、「事業報告書」を今年度より初めて開示することになりました。平成16年度は、理事長・学長による経営体制の継承、商経学部改組に伴う経済学部と産業情報学部の開設等、教学と経営管理の両面で新たな前進がありました。本学は「地域の私立大学」として、建学の精神と大学の理念・目的、教育目標を前提に、自主的・主体的に教育研究水準の改善向上と健全な大学経営に向けて継続的に取り組みを行います。 |
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T.事業の概要 |
1.教務部関係 |
(1)経済学部・産業情報学部を開設した |
4月、商経学部(一二部経済学科・商学科)を改組転換し、経済学部(経済学科と地域環境政策学科)と産業情報学部(企業システム学科と産業情報学科)が誕生し、初めての新入生を迎えた。 |
(2)大学院人間福祉専攻が県内初の臨床心理士養成校(2種)に指定された |
4月、大学院地域文化研究科人間福祉専攻(臨床心理学領域)が財団法人・日本臨床心理士資格認定協会から県内初の「臨床心理士養成に関する指定大学院第二種」に指定された。 |
(3)教務システムが新システムに移行した |
9月、教務システムに新システムが導入され、履修登録方法がWeb登録に移行した。また、成績報告やシラバスの作成・参照、学生の成績確認等がオンラインで可能になった。 |
(4)現代的教育ニーズ取組支援プログラムに採択された |
9月、産業情報学部の取組(産学連携による学生の即戦力化プログラム)が琉球大学工学部(主管)・沖縄県立芸術大学デザイン専攻との3大学共同で文部科学省の「現代的教育ニーズ支援プログラム」に採択された。 |
(5)教職課程が文部科学省の実地視察を受けた |
11月、教職課程が教員免許課程認定大学実地視察規程に基づく実地視察を受けた。 |
(6)授業評価アンケートを実施した |
1月、ファカルティ・ディベロップメント(FD)委員会により、全学的な授業評価アンケートを実施した。専任教員、非常勤教員の別なく、1科目以上について実施した。 |
(7)札幌学院大学との単位互換協定を学部間協定から大学間協定に移行した |
1月、これまで学部間協定であった札幌学院大学との単位互換協定を大学間協定に移行した。 |
(8)財団法人大学基準協会の評価基準適合大学に認定された |
3月、財団法人大学基準協会の大学評価基準に適合した大学として認定公表された。 |
(9)AO入試と推薦入試の募集人員の配分を変更した |
平成17年度入試ではAO入試の募集人員に対して総募集人員の5%を加え、推薦入試については総募集人員の5%を減じた。 |
(10)補習授業の実施要領を策定し実施した |
導入教育のうち、高校まで未習または学習が不十分な科目に対応した補習授業について、学内規程を整備し(1月)、産業情報学部(7月)と経済学部(2月)が数学について実施した。 |
(11)その他 |
(1)8〜9月、人間福祉学科学生(37名)が初の精神保健福祉実習を実施した。
(2)9月、日本語教員養成課程の学生3名が本学では初の海外での日本語教 育実習を中国・福建師範大学にて実施した。
(3)2月、昨年度学術交流協定を締結したエジプト国立カイロ大学にて、本学 学生8名が海外語学・文化セミナーを受講した。 |
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2.学生部関係 |
(1)校友会,後援会奨学金の拡充 |
奨学金は本学奨学金、本学関係奨学金、本学以外の奨学金があり、学業、人物が優れており、経済的理由、あるいは被災による理由で修学困難な学生を対象に給付または貸与し、限られた奨学金財源を有効に活かして学生の修学支援に取り組んでいる。近年、低迷する経済状況を反映して、奨学金応募者が増加しており、学生の修学支援のための奨学金の拡充整備が重要となってきており、平成15年度には校友会奨学金、後援会奨学金の増額がなされ、また平成16年度には引き続き、校友会および後援会の特別寄付金を元に文化活動奨学金、被災学生奨学金といった新規の奨学金が創設され、奨学金の整備が進められた。 |
(2)学生補助金の拡充 |
学生補助金は、@課外活動補助金(各サークルの活動補助、クラブ派遣費、大会参加費および登録料、大学祭、体育祭の補助金)、A学外ゼミ費補助金(国外および国内の学外ゼミの補助金、メンバーシップトレーニング費用補助)があり、学生の課外活動等を支援している。平成16年度は、移動大学祭への支援を拡充した。 |
(3)医務室におけるカウンセラー配置人数の拡充 |
社会環境の変化が著しい中で、学生の心身の健康、大学生活における様々な相談に対応することが益々重要となっている。平成16年度は、ヘリコプター墜落事故もあり、医務室におけるカウンセラーを2名から3名に増員して、学生の心身の健康、大学生活における相談に対応した。 |
(4)就職活動支援の強化 |
若年者の就業が極めて厳しい状況にあることから、学生の就職活動支援の強化が重要となっている。就職課では、オリエンテーション時に『就職の手引き』の冊子を配布し、学生に就職活動の手順をはじめとした情報を提供し、就職意識を高め、就職活動を促進するように支援している。また、求人情報をはじめとした就職関係の資料を整備し、就職システムでも就職関係の情報を提供し学生が活用できるようにしており、模擬面接を希望する学生に対しても随時受け付けている。就職関連のセミナー、ガイダンスは、年8〜10回開催されており、また、専任教員による就職対策講座、就職指導ガイダンス、公務員対策講座、教員対策講座、公務員二次試験対策講座を行っている。学生の就職活動支援を強化するためには、従来までの就職課による就職支援の諸施策を進めるとともに、学部学科におけるキャリア支援教育の拡充等の連携が重要である。 |
(5)インターンシップの充実 |
学生の職業観、就業意識の養成を目的として、民間企業および公的機関等で研修体験をするインターンシップを平成15年度から開始した。平成15年度には受け入れ機関62件、受講学生165人であったが、平成16年度は、受け入れ機関70件、受講学生177人と増加している。インターンシップの実施により、多様な産業、企業、職種で研修させ、学生への職業観、就職意識の養成、進路決定の指針として有効である。 |
(6)セミナーハウスの運用改善 |
セミナーハウスは、本学の福利厚生施設として学生および教職員等に利用されており、本学の所有する施設としてその有効活用が課題となっている。平成16年度は、セミナーハウスの管理運営、食堂業務を従来の委託業者から、管理運営は嘱託職員、食堂業務は新規委託業者に変更し、運用改善を行った。 |
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3.図書館関係 |
(1)施設・設備の充実 |
平成16年度は、PCコーナーのパソコンを26台にし、研究個室は全室(21室)にパソコンを設置したことで、個室でもインターネットが利用できるようになった。これにより、大学院生や協定校からの客員研究員が利用しやすい環境になった。 |
財団法人大学基準協会相互評価委員会の評価で、図書館は、利用者の利便を配慮した設計となっていること、また、開架式図書、ニューメディア(AVリソースコーナー)、院生専用室の設置、そして地域住民への開放などの図書館サービスは、図書館の多機能性および利便性から高く評価された。今後は、電子ジャーナルおよびオンラインデータサービスの整備充実が望まれると課題があげられた。 |
(2)職場体験学習及び施設見学への対応 |
平成16年7月7日(水)に、宜野湾市の真志喜中学校3年生6人(男子)が本学図書館で職場体験学習をした。図書の整理の仕方、図書館の機能や利用方法を学んだ後、図書の貸出・返却・配架、そして書架の整頓などの作業を体験した。平成16年7月30日(金)に、本部町中高一貫教育図書委員拡大合同研修会のメンバー30名が訪れ、大学図書館の提供するサービスや大学図書館間の連携などを学んだ。平成16年8月5日(木)には、県立普天間高等学校の図書委員20名が、図書の整理業務や相互貸借業務など、大学図書館と高等学校の図書館業務との違いなどを学んだ。 |
(3)利用者へのサービス |
平成15年度から、本学の休業期間中(夏期8/1〜9/30、春期3/1〜3/31)に限り、高校生への図書館サービスを開始したが、2年目となる平成16年度は42名の利用があった。 |
平成15年度から、大学院生・学部学生対象に、文献検索ガイダンスを実施しており、平成16年度は6月に9回実施し173名の参加があった。ガイダンスでは、OPAC(本学図書館蔵書検索)や国立情報学研究所(NII)が提供する情報検索サービスで、NACSIS-Webcat(全国大学図書館等の蔵書検索データサービス)、NACSIS-IR(雑誌論文の検索データサービス)、その他、各種データサービスの特徴と操作に関する説明をし、実際に参加者自身が必要とする文献情報を検索する演習を行った。また、毎年4月から5月にかけて実施している新入生対象図書館利用オリエンテーションには多くの学生が参加した。対象学生は1,441名で、参加者は1,358名(94%)だった。 |
平成16年度の図書館利用状況の主なものとしては、開館日数319日で、入館者数398,259人(内学外者83,241人)、図書貸出冊数62,058冊、パソコンコーナーの利用43,126件、ビデオコーナーの利用10,226件、AVホールの利用は108件で、図書館間相互利用は、他館への依頼が552件、他館からの依頼が275件となっている。 |
(4)論文・エッセイコンテスト |
本学学生の日頃の研究及び読書活動の向上を図ることを目的として平成元年度から実施している図書館主催の「平成16年度論文・エッセイコンテスト」は16回目を迎え、前年度同様8点の応募があった。応募作品の選考は、1月14日(金)の第2回図書委員会で行われ、優秀賞に総合文化学部日本文化学科4年次・真栄城絹枝さんの「社会人として思うこと」が決まり、その他に佳作4点が選考された。1月21日(金)には図書館会議室で表彰式を行い、賞状と副賞が授与された。 |
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U.財務の概要 |
18歳受験人口の減少や国立大学の法人化等、私立大学を取り巻く環境がより一層厳しくなる中で、平成16年度は「緊縮財政を基本とするも、教学環境並びに財政状況の改善を図るとともに、魅力ある大学づくりに向けた予算の適正配分に留意して、経営の健全性確保に努める。」ことを予算編成の基本方針に掲げて事業を計画し遂行しました。以下の消費収支計算書及び貸借対照表は、学校法人会計基準(昭和46年4月1日文部省令第18号)に従い作成しており、様式は、補助金交付の観点からの表示区分になっています。 |
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【消費収支計算書】
消費収支計算書は、当該会計年度の消費収入内容及び執行状況を示し、学校法人の経営状況を明らかにしたものです。 |
消 費 収 入 の 部 単位:円 |
科 目 |
予 算 |
決 算 |
差 異 |
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学生生徒等納付金 |
4,534,533,000 |
4,532,974,400 |
1,558,600 |
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手数料 |
102,589,000 |
121,597,650 |
△19,008,650 |
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寄付金 |
41,457,000 |
44,951,171 |
△3,494,171 |
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補助金 |
470,890,000 |
512,823,310 |
△41,933,310 |
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資産運用収入 |
24,137,000 |
27,030,078 |
△2,893,078 |
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資産売却差額 |
0 |
50,000 |
△50,000 |
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事業収入 |
14,135,000 |
21,255,456 |
△7,120,456 |
D |
雑収入 |
178,416,000 |
181,465,447 |
△3,049,447 |
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帰属収入合計 |
5,366,157,000 |
5,442,147,512 |
△75,990,512 |
E |
基本金組入額合計 |
△804,037,000 |
△655,027,337 |
△149,009,663 |
F |
消費収入の部合計 |
4,562,120,000 |
4,787,120,175 |
△225,000,175 |
G |
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消 費 支 出 の 部 単位:円 |
科 目 |
予 算 |
決 算 |
差 異 |
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人件費 |
2,701,642,960 |
2,579,046,696 |
122,596,264 |
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教育研究経費 |
1,562,620,798 |
1,411,752,857 |
150,867,941 |
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管理経費 |
230,580,308 |
199,503,439 |
31,076,869 |
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借入金等利息 |
44,868,125 |
44,868,125 |
0 |
|
資産処分差額 |
5,000,000 |
5,181,928 |
△181,928 |
|
予備費 |
(8,280,231)
31,719,769 |
|
31,719,769 |
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消費支出の部合計 |
4,576,431,960 |
4,240,353,045 |
336,078,915 |
G |
当年度消費支出超過額 |
14,311,960 |
0 |
|
|
当年度消費収入超過額 |
0 |
546,767,130 |
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G |
前年度繰越消費支出超過額 |
419,959,694 |
419,959,694 |
|
|
翌年度繰越消費支出超過額 |
434,271,654 |
0 |
|
G |
翌年度繰越消費収入超過額 |
0 |
126,807,436 |
|
G |
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【消費収支決算概要】 |
D |
事業収入は、南島研と産業研に各2件ずつの受託事業がありました。 |
E |
帰属収入合計は、手数料収入と補助金収入等が予測を上回り全体として75,990千円の増となりました。 |
F |
基本金組入額は、借入返済金充当額及び第2号基本金の校舎等改築資金、第3号の国際交流基金・奨学基金等を 計画どおり組入れましたが、第5駐車場用地等に係る分が執行できませんでした。 |
G |
消費収入の部では、帰属収入合計が増額となり、さらに駐車場用地購入計画等に係る基本金組入の減少により 増額となり、支出の部では人件費や教育研究経費等の支出が減となり、当年度消費収入超過額が546,767千円 となり、長年の懸案でした翌年度繰越消費支出超過額の解消を図ることができました。 |
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【貸借対照表】
貸借対照表は,当該会計年度決算時における財政状態を明らかにしたものです。 |
資 産 の 部 単位:円 |
科 目 |
金 額 |
【固定資産】 |
12,699,674,873 |
〈有形固定資産〉 |
10,297,124,008 |
土 地 |
1,560,417,704 |
建 物 |
6,064,268,465 |
構 築 物 |
548,005,142 |
教育研究用機器備品 |
325,962,642 |
その他の機器備品 |
17,530,245 |
図 書 |
1,774,756,137 |
車 両 |
6,183,673 |
〈その他の固定資産〉 |
2,402,550,865 |
電話加入権 |
2,550,798 |
有価証券 |
339,989,958 |
長期貸付金 |
1,720,000 |
退職給与引当特定預金(資産) |
538,000,000 |
校舎建築引当特定預金(資産) |
600,000,000 |
第3号基本金引当資産 |
920,290,109 |
【流動資産】 |
8,214,012,485 |
現金預金 |
8,010,510,216 |
未収入金 |
199,050,948 |
貯 蔵 品 |
1,974,791 |
前 払 金 |
1,426,530 |
短期貸付金 |
1,050,000 |
【資産の部】 合計 |
20,913,687,358 |
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負 債 の 部 単位:円 |
科 目 |
金 額 |
【固定負債】 |
2,551,317,766 |
長期借入金 |
1,121,720,000 |
退職給与引当金 |
1,429,597,766 |
【流動負債】 |
2,622,776,281 |
短期借入金 |
111,050,000 |
未 払 金 |
373,034,839 |
前 受 金 |
1,990,712,100 |
預 り 金 |
147,979,342 |
【負債の部】合計 |
5,174,094,047 |
基 本 金 の 部 |
科 目 |
金 額 |
【基本金】 第1号基本金 |
13,830,495,766 |
第2号基本金 |
600,000,000 |
第3号基本金 |
920,290,109 |
第4号基本金 |
262,000,000 |
【基本の部】合計 |
15,612,785,875 |
消 費 収 支 差 額 の 部 |
科 目 |
科 目 |
【翌年度繰越消費収入超過額】 |
126,807,436 |
【消費収支差額の部合計】 |
126,807,436 |
科 目 |
科 目 |
【負債の部、基本金の部及び消費収支差額の部合計】 |
20,913,687,358 |
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【注記】 |
@ |
減価償却費の類型額の合計額 4,782,872,904円 |
A |
徴収不能引当金の合計額 0円 |
B |
担保に供されている資産の種類及び額は、次の通りである。土地(学校用地)20.707m2 168,051,018円 |
C |
退職給与引当金の額の算定方法は、次の通りである。
期末要支給額 1,316,440,495円の100%を基にして、私立大学退職金財団に対する掛金の累計額と交付金の累計額 との繰入調整額を加減した金額を計上している。 |
D |
翌会計年度以後の会計年度において基本金への組入れを行うこととなる金額 1,231,278,299円 |
E |
通常の賃貸借取り引きに係る方法に準じた会計処理を行っている所有権移転外ファイナンス・リースのうち、 平成10年4月以降締結したものは次のとおりである。 |
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リース資産の種類 |
リース料総額 |
未経過リース料期末残高 |
教育研究用機器備品 |
644,320,666円 |
240,758,983円 |
その他の機器備品 |
69,518,450円 |
11,876,532円 |
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F |
平成16年8月13日、本館建物が米軍ヘリ墜落により被災した。この被災による損害額は調査中であり、また、こ れに関わる補償額は未確定である。 |
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