新本館は、地上6階建で、旧本館の2.5倍の大きさである。総工費7億8千万円のうち米軍ヘリコプター墜落による賠償金は1億4千万円余り、防音工事補助金は8千万円余りであり、全体の7割ほどが大学の自己資金を投入しての建築となった。
建物のコンセプトは、学生へのワンストップサービス及び事務の統合を視野に入れ、大半の事務室を配備し、3・5・9号館方面、正門・図書館方面の2方向からの出入りができる施設となった。また、各事務室は組織再編に備え、間仕切りを極力減らしたフリースペースとした。
1階から3階は学生と関わりの多い部署を配置し、4階から5階は教職員と関わりの多い部署を配置した。また、フリースペース化したことによる窓口対応については、お昼休みと夕方の休憩時間を無くし、いつでも窓口対応ができる体制をとり、学生サービスの向上を図ることとした。
6階 会議室 |
|
4階 会計課、広報課、企画課、管財課 |
|
3階 就職課、エクステンションセンター |
|
2階 教務課、学生課 |
|
1階 入試課、国際交流センター、 外国語センター、情報センター |
【 各階概要 】
6階:会議室、資料室
5階:役員室、庶務課
4階:企画課、広報課、会計課、管財課
3階:就職課、エクステンションセンター、個人面談室、会議室
2階:教務課、学生課
1階:入試課、国際交流センター、外国語センター、情報センター
一昨年の8月13日に、本学本館に米軍のヘリコプターが墜落炎上いたしました。
それにより本館は甚大な被害を受け、使用不能になりました。本館は、事務局の中枢であり、大学運営のための重要な会議がひらかれる会議室を擁する建物でありましたので、使用不能となったことで大学の業務は不便極まりない状況に陥りました。
われわれは事故の直後から5ヶ月の間、図書館に緊急避難いたしました。しかし、事務局が図書館にあること自体、学生に多大な不便を強いることでしたので、われわれは仮設のプレハブを建て、再び事務職員総動員で事務局を図書館から仮設のプレハブに移動いたしました。以来1年10ヶ月、図書館の期間とあわせて2年3ヶ月にして、ようやく今日本館が大学に戻ってきたのであります。ヘリコプター墜落から今日まで教職員の皆さんにとって実に長い耐乏生活でありました。
この本館の改築によりヘリコプター事故によって発生した本学の損害のうち建物という物理的な面では復旧したと言えます。
しかし、事故以来2年3ヶ月の間、本学は本館の改築事業を最優先課題として取り組んできましたので、その他の本来の大学の重要な業務が停滞ないし遅延の状況下に置かれています。
そして、11月11日に無事竣工を迎えることになりましたので、以後は早急にこれらの諸問題に取り組まねばなりません。
このたびの不幸な事故における唯一の救いは、改築において米軍および防衛施設庁の補償および補助の金額に大学側が乏しい財政から捻出した資金を加えることにより本館の敷地面積を大幅に拡大したことであります。旧本館が3階建てでありましたが、新本館は6階建てになりました。この拡大により、これまで3号館、9号館に散らばっていた事務部門を本館に収容することが可能となりました。事務局の統合は職員相互の連帯感を強めるばかりでなく、業務全般の効率化、スピードアップをもたらすものとして期待しています。刷新された本館を得て教職員および学生の皆さんが新たな気分でそれぞれの任務に専念して大学全体が活力を取り戻すことになると確信いたします。
誌面をもちまして、皆様へ本館竣工のご報告をさせていただきます。
式辞を述べる渡久地理事長・学長