福州での国外研修雑感 産業情報学部 教授 大城建夫
私の研修先は、福州大学であった。福州大学は、かなり大きなキャンパスを持っており、近くには海に流れる(みんこう)があった。の川岸は計画的に整備されていてどこまでも続く長い公園となっていた。市民には、無料で開放されており、家族連れによる朝、夕の散歩、市民合唱団、社交ダンス等で楽しんでいた。
時々、私自身散歩しながら、福州市の財政の豊かさと市民サービスの提供に感心させられた。また、福州市内でも高層ビルやマンションの建設は、盛んであったが、個人や中小企業でも投資資金の流れに偏りがあるのではないかということも感じた。
比較的季節のよかった10月中旬に福州市から離れて、華東地区(南京市、無錫市、蘇州市、杭州市)を調査してきた。その華東地区でも、目立つものはビル、高層マンションの建築工事、高速道路の拡張工事等であった。10月25日には、蘇州の蘇州国際博覧センターで開催された中小企業国際大会に参加した。台湾、香港、日本 、シンガポール、ベトナム、インド、ドイツなどの国の企業が参加し、設備、機械、部品等の見本と宣伝販売で活況であった。近くの会場では、中国への投資、共同経営などを中心とした講演、報告等も行われた。私自身、会場の熱気とともに、中小企業でも既に中国での経営活動が盛んであることも実感したのである。同時に、中小企業の保護育成のための法整備や融資制度を透明化し、充実するための財務的信用制度(会計基準の遵守と監査)の確立が必要ではないかと考えたのであった。
研修期間中は、福州大学の陳国宏教授、廬偉国際交流センター所長、毛敏会計ソフト会社社長、寿卓群高級会計師の方々に資料収集等でお世話になった。紙面を借りて感謝したい。私の研修期間は、1年間であり、その調査、資料収集、見聞も広い中国の限られた場所であったが、中国経済社会の現実は、私の心にインパクトを与えるのに十分すぎるほど強烈なものがあった。これからもダイナミックな中国の動きに関心を持ちながら、研究、教育等に役立てたいと思う。 |