T.事業計画の基本方針
 大学設置の増加、国立大学の法人化、18歳人口の継続的減少、大学全入時代への加速度的進行等私立大学を取り巻く経営状況は厳しさを増しており、平成19年度においては、定員割れになった私立大学の割合は、過去最悪だった前年とほぼ同じ39.5%(221校)であり、入学者が定員の70%に満たない大学は前年の62校から73校へ増加した。さらに、平成18年度において帰属収支差額比率(帰属収入−消費支出/帰属収入)が0%以下のイエローゾーンの大学が179校で、−20%以下のレッドゾーンの大学が80校となっている。このように、近年の私立大学を取り巻く経営環境は大幅で急速な変化を遂げているが、厳しい競争環境の中で、本学が競争優位を獲得し、そして、それを維持・発展させるためには、本学は絶え間なく教育・研究の資的充実・向上を図るとともに財政基盤の強化を図らなければならない。
 このような私立大学を取り巻く経営環境の現状認識と問題意識に基づいて、本学が今後とも大学の社会的役割を十全に果たしうるように学部及び大学院の教育・研究の質的充実・向上を図ることを基本方針として、平成20年度においては平成19年度からの42項目の継続事業と平成20年度の19項目の新規事業を計画する。事業計画はその計画内容によって個別構造計画と個別業務計画に分類される。前者の個別構造計画は経営の基本構造の変革・変更に関する戦略的意思決定であるのに対して、後者の個別業務計画は、現有の経営構造を前提とした経常的な業務活動の変更・改善に関する戦術的な意思決定である。なお、平成20年度事業計画は、中長期5か年経営計画(自平成20年4月1日至平成25年3月31日)と連動した形で策定される。
U.個別構造計画 1. 13号館建設【継続事業】、2.事務組織の統合改編【継続事業】
V.個別業務計画 (一部細目記述省略)
1.教育・研究に関する事業
【新規事業】
(1)入試の改善
(2)自己点検・評価活動の結果の大学改革への
 フィードバック・システムの構築
 1)学内情報の蓄積・利用
【継続事業】
(1)入試の改善
(2)自己点検・評価活動の結果の大学改革への
  フィードバック・システムの構築
(3)大学院の教育・研究施設・設備の改善
(4)公開講座の総合的見直し (5)組織的FDの推進
(6)時間割編成方針の改善
(7)教養教育・共通科目(テーマ科目群・外国語科目
  群を含む)の在り方の改善
(8)特別研究費計画書の実質審査制度の確立
(9)学業成績不振学生への学習支援
(10)CALL教室のユビキタス学習対応化
(11)模擬法廷の設置
(12)経済学部教育改革に関する総合的調査
(13)環境科学実験室の整備
(14)フレキシブル大規模パソコン演習室への機器導
  入及CALL用ソフトウェアの購入
2.情報化に関する事業
【新規事業】
(1)オンデマンドプリンティングシステム設置
(2)学内LANのリプレース
(3)図書館退館システムのリプレース
(4)図書館入館システムのリプレース
(5)図書館地下2階新聞架の設置
(6)計画的な電子ジャーナルの推進
【継続事業】
(1)情報コンセントの整備・拡大
(2)共通認証システムセキュリティーの強化
(3)証明書発行機の増設
(4)PC教室・CALL教室の複合機能の増設
(5)グループウェアのリプレース
(6)セキュリティー関連機器及びソフトウェアの導入
(7)図書館利用ガイダンスの充実
(8)「学術機関リポジトリ」の推進

3.国際化に関する事業
【新規事業】
(1)海外校友会組織結成の検討
【継続事業】
(1)国際交流の促進 (2)海外留学生支援制度の確立
4.学生サービスに関する事業
【新規事業】
(1)家族(兄弟姉妹若しくは親子)同時在学者への
  入学金相当免除措置
(2)家族(兄弟姉妹若しくは親子)3人同時在学者への
  授業料相当免除措置
(3)渡り廊下の設置 (4)バリアフリー対策計画の推進
(5)学生用駐車場不足対策計画の推進

【継続事業】
(1)奨学金の整備

5.法人業務に関する事業
(1)職員のキャリア形成の強化
【継続事業】
 1各種大学職員研修会への積極参加
 2国内協定校への視察研修
(2)大学広報の充実
【新規事業】
 1広報基本方針の策定
 2学内情報収集について
 3広報委員会の機能強化
【継続事業】
 1学内外への情報提供
 2大学案内・学報等の広報関係刊行物および大学グッズの充実
 3大学サイトの充実
 4オープンキャンパスへの積極的協力
(3)施設設備に関する事項
【新規事業】
 1校地現況調査(敷地境界、建物、マンホール、
  側溝)の実施
 2省エネルギー対策について
W.財政計画

 私立大学の財政上の基本的課題は教育・研究上の要求と財政上の諸条件の持続的調和を図ることであり、大学の教育・研究上の理念・目的の実現を頓挫させるような財政的疎外要因を除去し、その理念・目的を着実にかつ持続的に追求することを可能にするような健全な財政活動を営むことである。このような、私立大学の教育・研究条件の充実・発展の原動力としての財政の重要性の認識のもとに本学の財政の適切な運営を図ることを目指して、次の5点を平成20年度の大学経営の基本方針として平成20年度の予算を編成する。
 (1)本学の理念・目的のより一層の実現に向けて、学部及び大学院の教育・研究の質的な充実・向上に努める。
 (2)収支均衡の財政運営を図る。
 (3)借入金に依存しない財政運営を図る。
 (4)自己資金が調達できる限度内での施設設備の投資を行なう。
 (5)各課の経常予算要求額は、原則として過去3年間の決算額の平均額とする。
 本学予算書は、文部科学省令「学校法人会計基準」に拠って作成されたもので、資金収支予算(資金運用の状態)と消費収支予算(経営維持の状態)の2種類からなっています。平成20年度予算(収入、支出の見積)資金収支予算および消費収支予算の概要は下表のとおりです。
資金収支予算〈収入の部〉
単位:千円
科     目 平成20年度予算 平成19年度予算 増     減
学生生徒等納付金収入 4,629,336 4,650,767 △21,431
手 数 料 収 入 94,220 94,220 0
寄 付 金 収 入 43,250 46,250 △3,000
補 助 金 収 入 583,374 470,607 112,767
資 産 運 用 収 入 43,288 34,024 9,264
資 産 売 却 収 入 0 0 0
事  業  収 入 10,433 11,145 △712
雑   収   入 97,434 141,227 △43,793
借 入 金 収 入 2,700 2,700 0
前 受 金 収 入 2,087,429 2,067,427 20,002
その他 の 収 入 2,345,287 1,872,707 472,580
資金収入調整勘定 △2,309,422 △2,263,414 △46,008
前年度繰越支払資金 8,548,852 8,635,209 △86,357
収 入 の 部 合 計 16,176,181 15,762,869 413,312
資金収支予算〈支出の部〉
単位:千円
科     目 平成20年度予算 平成19年度予算 増     減
人 件 費 支 出 2,705,356 2,671,050 34,306
教育研究経費支出 1,329,239 1,312,088 17,151
管 理 経 費 支 出 244,272 226,543 17,729
借入金等利息支出 27,500 31,672 △4,172
借入金等返済支出 101,580 112,320 △10,740
施 設 関 係 支 出 1,137,253 350,760 786,493
設 備 関 係 支 出 254,880 156,030 98,850
資 産 運 用 支 出 913,802 1,221,086 △307,284
その他 の 支 出 1,376,434 1,359,162 17,272
予   備   費 40,000 40,000 0
資金支出調整勘定 △218,849 △266,694 47,845
次年度繰越支払資金 8,264,714 8,548,852 △284,138
支出の部合計 16,176,181 15,762,869 413,312
消費収支予算〈収入の部〉
単位:千円
科     目 平成20年度予算 平成19年度予算 増     減
学生生徒等納付金 4,629,336 4,650,767 △21,431
手  数  料 94,220 94,220 0
寄  付  金 45,650 48,650 △3,000
補  助  金 583,374 470,607 112,767
資産運用収入 43,288 34,024 9,264
資産売却差額 0 0 0
事 業 収 入 10,433 11,145 △712
雑  収  入 97,434 141,227 △43,793
帰属収入の部合計 5,503,735 5,450,640 53,095
基本金組入額 △203,397 △486,790 283,393
消費収入の部合計 5,300,338 4,963,850 336,488
消費収支予算〈支出の部〉
単位:千円
科     目 平成20年度予算 平成19年度予算 増     減
人  件  費 2,672,079 2,612,196 59,883
教育研究経費 1,761,877 1,707,078 54,799
管 理 経 費 269,671 247,185 22,486
借入金等利息 27,500 31,672 △4,172
資産処分差額 34 195,486 △195,452
予  備  費 40,000 40,000 0
消費支出の部合計 4,771,161 4,833,617 △62,456
当年度消費収入超過額 529,177 130,232
当年度消費支出超過額 0 0
前年度繰越消費収入超過額 1,353,438 1,223,206
翌年度繰越消費収入超過額 1,882,615 1,353,438