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授業情報/Class Information

科目一覧へ戻る 2025/03/24 現在

基本情報/Basic Information

開講科目名
/Course
日本文化特別講義Ⅱ/Special Lecture on Japanese Culture Ⅱ
時間割コード
/Course Code
G270520001
開講所属
/Course Offered by
総合文化学部日本文化学科コース決定前/College of Global and Regional Culture Department of Japanese Language and Culture
開講区分
/semester offered
集中/Intensive
単位数
/Credits
2.0
学年
/Year
2,3,4
主担当教員
/Main Instructor
北澤 尚(非常勤)
科目区分
/Course Group
専門科目 専門科目選択/専門科目 専門科目選択
遠隔授業
/Remote lecture
No

担当教員情報/Instructor Information

教員名
/Instructor
教員所属名
/Affiliation
北澤 尚(非常勤) 日本文化学科/Department of Japanese Language and Culture
※ポリシーとの関連性
/*Relevance to Policy
日本語学における日本語文法及び日本語史に関する興味・関心を促し、それらに関する専門的な知識・能力を涵養する。明治期を中心とする近代日本語文法の成立と展開に関する諸課題についても深く学ぶ。
授業に関する問い合わせ
/Inquiries about classes
第4回、第8回、第12回の各授業終了後に教室で質問を受け付ける。
学びの準備
/Prepare to learn
ねらい
/Goal
明治期を中心とする近代日本語の文法と文体に関する基礎的な知識を学ぶ。
明治期の多様な言語資料について主体的に探究する力を身に付ける。
メッセージ
/Message
明治時代は社会の大変革期であったと同時に、日本語の激動期でもあった。日本語を近代化するということは何を意味し、どの領域にまで影響を及ぼすことになったのであろうか。最も狭くとらえるなら、日本文学の改良運動としての「言文一致運動」だけに焦点化することもできるが、国家の言語政策としても「標準語」と国定教科書の制定の機運が高まりつつあった。
 さらに、言語生活全般に視野を広げると、情報伝達の媒体として活字メディアでは大新聞と小新聞が読者を増やし、演説の隆盛も見られ、あわせて、大衆芸能では落語や講談も流行した。ここで注目したいのは、これらの音声原産の言説が、当時開発された速記術を介して活字化されて流布された実態である。速記は落語や講談などの娯楽物だけでなく、帝国議会の本会議及び委員会の発言に及ぶ。以上のような明治時代の多様な言説はその目的と用途に応じて、文体の異体を生み出す。近代以前の言語規範が、口語体、談話体、言文一致体という新しい衝撃によって人々の意識を変えていく。私的な書簡にまでその影響は見られる。その中には現代まで受け継がれている形態もあれば、衰退していった形態もある。
 この講義では、時代の潮流を見失うことなく、しかも、明治の各時期の微細な現象としての近代語法の様相を中心に据えて、諸領域に係る人々や小説家たちがどのような葛藤をいだきつつ語形を選択し、表出のありようを決定していったのか、浮きぼりにしてみたい。
到達目標
/Attainment Targets
明治期の文学(作家と作品)やその他の言語資料(文献)について基本的な文体的特徴を説明できる。文明開化期から大正初期の文法及び文体の変化について、概ね説明できる。
学びの実践
/Learning Practices
授業計画
/Class Plan
テキスト・参考文献・資料など
/Textbooks, references, materials, etc.
【教科書】なし。授業資料(レジュメ+資料集)を配布する。
【参考文献】
・田中章夫(1983)『東京語-その成立と展開-』明治書院
・田中牧郎(2013}『近代書き言葉はこうしてできた』岩波書店
・土屋信一(2009)『江戸・東京語研究―共通語への道』勉誠出版
・野村剛史(2013)『日本語スタンダードの歴史』岩波書店
・野村剛史(2019)『日本語「標準形」の歴史』講談社選書【重要】
・飛田良文(1992)『東京語成立史の研究』東京堂出版
・古田東朔(2011)『国語意識の発生-国語史2』くろしお出版
・古田東朔(2012)『江戸から東京へ-国語史1』くろしお出版
・森岡健二編著(1991)『近代語の成立 文体編』明治書院
・山本正秀(1965)『近代文体発生の史的研究』岩波書店
学びの手立て
/Way of learning
【予習】
短期間の集中講義であるため、少なくとも「参考文献」の野村剛史『日本語「標準形」の歴史』(講談社選書)の「第Ⅰ章」は前もって授業時までに必ず読んでおくこと。学生諸君に質問や意見を求めることが多いので、授業資料や参考文献を全く読まずに出席することは望ましくない。意欲的な学生諸君の履修を望む。

【復習】
最終日の第16回に持込不可の試験を実施する。そのため、授業内容の復習を毎日行うことを勧める。
評価
/Evaluation
授業時小テスト20%+最終回試験80%(最終日の第16回に持込不可の筆記試験を実施する)
学びの継続
/Continuing to learn
次のステージ・関連科目
/Next Stage and Related Courses
日本言語史Ⅰ・Ⅱ、日本近代文学史Ⅰ・Ⅱ
No. 回(日時)
/Time (date and time)
授業計画
/Class Plan
時間外学習の内容
/Content of Overtime Learning
備考
/Notes
1 1 イントロダクション:近代日本語と現代日本語、話し言葉と書き言葉など
授業時以前に配布された資料集を読んでおく。
2 2 江戸語の諸相(庶民の言葉) 授業時以前に配布された資料集を読んでおく。
3 3 江戸語の諸相(武家・教養層の言葉) 授業時以前に配布された資料集を読んでおく。
4 4 明治初期の言語の様相(『安愚楽鍋』、啓蒙書その他) 授業時以前に配布された資料集を読んでおく。
5 5 明治前期の小新聞(仮名読新聞・読売新聞)の語法と文体 授業時以前に配布された資料集を読んでおく。
6 6 三遊亭円朝と落語速記本 授業時以前に配布された資料集を読んでおく。
7 7 二葉亭四迷と硯友社文学 授業時以前に配布された資料集を読んでおく。
8 8 「言文一致」とは何か 授業時以前に配布された資料集を読んでおく。
9 9 明治期の書簡の語法と文体 授業時以前に配布された資料集を読んでおく。
10 10 国定読本の語法と文体 授業時以前に配布された資料集を読んでおく。
11 11 標準語制定と口語文典 授業時以前に配布された資料集を読んでおく。
12 12 漱石の語法Ⅰ 授業時以前に配布された資料集を読んでおく。
13 13 漱石の語法Ⅱ 授業時以前に配布された資料集を読んでおく。
14 14 漱石の語法Ⅲ 授業時以前に配布された資料集を読んでおく。
15 15 近代日本語史のまとめ
「日本語スタンダード」はあったのか
試験の準備
16 16 期末試験 授業資料、ノート等の持ち込みは一切できない。

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