8月・9月は、沖国大生にとって夏期休業期間であると同時に、実習・フィールドワークの季節でもあります。この期間、各ゼミの皆さんはキャンパスを離れ、様々な調査・実習へと出かけます。今回の「ゼミ訪問」では、8月の約2週間、石川市で考古学発掘実習を行った「上原 靜ゼミ」の徳嶺理江さん・長濱健起さん・岩元さつきさんに登場していただきました。
▲左から長濱さん・徳嶺さん・岩元さん
▲上原ゼミの皆さん
(2003考古学発掘実習にて)
上原ゼミの内容や授業の様子について教えて下さい。
徳嶺: 上原ゼミは、4年次1名・3年次18名・2年次12名の計31名で構成されています。琉球列島の旧石器時代から琉球王府時代を研究対象に、考古学的見地から調査しています。普段の授業では、各自が特定のテーマについて調べ、資料を作って発表し、皆でディスカッションしたりします。3年次の場合は、沖縄の「旧石器時代」「縄文時代」など時代区分毎に担当者を決めて、調査・発表・討論するという内容です。
岩元: 2年次は、遺物の種類や土器・石器など各遺物の特徴について、各担当者がレポートを作成し、発表しています。
長濱: 知識がないと、現場に出てもどう対処していいか分からないので、普段の授業で考古学の基礎知識を培った上で、発掘実習に臨み、実際に行動してみるというわけです。
考古学ゼミを選んだ理由は?
徳嶺: 私は歴史が好きで、且つ、歴史学などは文字が残っている時代=比較的新しい時代を扱うので、もっと古い時代を知りたいと思い、考古学ゼミを選びました。
岩元: 私はゼミ選択の際に、民俗学と考古学のいずれを選択するか悩んだのですが、物自体をみることが好きだったので、考古学を選択しました。
     
  発掘実習で苦労したこと・想い出に残っていることは?   ゼミ活動を行ううえで大切にしていることは?  
徳嶺: 実習では、先ず試掘する場所の草刈りや木々の伐採から行うのですが、“開墾”作業で3日ぐらいかかりました。あんなに木を切ったのは生まれて初めてです(笑)。 徳嶺: 忍耐です!発掘作業自体もそうですが、発掘後の資料整理も忍耐が必要です!それと、考古学は1人ではできないので「協調性」も大切です。
長濱: 資料整理など、メンバー各自が分担している仕事・責任をしっかり果たさなければ、周りに迷惑をかけることになるので「協調性」や「責任感」は必要不可欠です。  
長濱: 去年の実習とは遺跡の性格も違うし、石や木の根も多く、発掘しづらい部分はありました。また、場所によっては風も入らず日陰も無いため、暑さが大変でした。  
実際に考古学を勉強してみて、感じることは?
 
岩元: 虫も大変でした。アリンコとか降ってきましたし、虫除けスプレーが効かないくらい蚊もいました。発掘現場周辺には、煙たくなるぐらい蚊取線香を置いていました。  
徳嶺: 実際に考古学をやってみると、知力はもちろん、体力も必要なので大変ですが、勉強する内容が盛りだくさんなので、とても楽しいです。いろんなことが身につきます!  
徳嶺: ゼミ長としては、全体をまとめるのが大変でした。30名の大所帯ですし、その日の作業方針に沿って各チームの組み合せを考えるなど、常に試行錯誤していました。また、日替わりで食事当番などを担当するのですが、30人分の炊事・洗濯は、とても大変でした。
岩元: ゼミ選択をする前、上原先生は「考古学は地味ですよ」とおっしゃっていたのですが、実際やってみると、思ったほど地味じゃなかったというのが実感です。ゼミに入るまでは、具体的にどういうことをするのか想像もできなかったので、今は初めて経験する事の連続で、新しい発見が多いと思います。この半年の経験で2年生にも「責任感」が芽生えてきたことを実感しています。
長濱: 発掘ばかりでなく、食事当番などの裏方仕事もこなすことで、いろんな生活の知恵がつきました。
▲出土した柱跡の実測作業
長濱: 実習などで経験したことは、将来、どの方向に進むにしても無駄にはならないと思います。このゼミを経験したことで、自分で疑問に思ったことについて積極的に調べる、自ら行動する姿勢が身についたと思います。
2週間の発掘実習を経験して変わったことは?
▲実習最終日の打ち上げ会
岩元: 実習前は正直「2週間も耐えられるか?」とても不安でしたが、寝食ずっと共にすることで、互いにすごく仲良くなりました。以前は、2年生同士でも打ち解けられない部分があったのに、今回の実習をきっかけに相互に話せるようになりました。3年生は責任もあるので大変だったと思いますが、2年生はとても楽しんでいました。
長濱: 私も考古学か歴史学かで迷ったのですが、やはり文字資料中心の歴史学よりも、発掘調査などが体験できる考古学の方を選択しました。
徳嶺: 2週間一緒に生活するので、時にはメンバー同士で衝突することもあります。表面上のつきあいだけでは限界がありますので、お互いに言いたいことは遠慮せずに言っていました。ゼミ長という立場上、皆をまとめるという責任もあるので、もめていそうな場合は双方の話を聞きながらアドバイスしたりしました。
▲伊波城跡周辺の試掘作業
今夏の発掘実習について
岩元: 意見が合わなかったりした時は、お互い納得いくまで、ずっと話し合っていました。
徳嶺: 今年は石川市にある伊波城跡周辺の試掘調査を行いました。3年次にとっては、去年のアカジャンガー貝塚(具志川市)に続き、2回目の発掘実習になります。今回の試掘調査では、柱跡を発見したり、青磁などの遺物も多く出土したので、かなり充実した実習になりました。現在、出土した遺物の整理・実測を行い、報告書を作成しています。
長濱: この実習で2年生と3年生も打ち解けることができましたし、何よりも「協調性」が身についたと思います。
徳嶺: いろんなことを経験しながら一緒に生活しますので、この2週間の発掘実習を体験することで、ゼミ全体がまとまり、和気あいあいとした雰囲気になりますね。
岩元: 2年次にとっては初めての実習でしたが、3年次にいろいろ教えてもらったり、前期の授業で勉強した土器が実際に出土するのを目にしたり、とてもいい経験になりました。      
▲夕食後の全体ミーティング
     
長濱: 3年次にとっても、実際に柱跡をみるのは初めての経験でしたし、考古学を勉強していると常に新しい発見の連続です。
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