南島文化研究所 第126回 シマ研究会「福建の民間信仰の現状と諸問題」
 


林先生(左)と指導教授の小熊誠先生
   1月19日、本学・南島文化研究所において「第126回 シマ研究会」が開催され、福建師範大學の歴史系教授で、南島文化研究所の特別研究員でもある林 國平教授が「福建の民間信仰の現状と諸問題」というテーマで講演を行いました。林教授は、中国・福建における民間信仰隆盛の要因として、1980年代の改革開放政策による宗教・信仰の自由化という基本的背景について説明し、更に歴史的蓄積としての「巫術鬼神重視」という伝統の下、合理的な条件さえ合致すれば、民間信仰がすぐさま復活し発展するという福建の歴史的・民俗的土壌について解説しました。 
また、福建の民間信仰が直面する諸問題として、民間信仰のプラス機能(社会教化作用や文化娯楽機能等)とマイナス影響(土地や財力の浪費等)についても言及し、福建の民間信仰が民俗活動と相互に融合し深く民衆の生活基盤に存在してはいるものの、そのマイナス面の問題を解決しなければ、信仰そのものが衰微する可能性もあると指摘しました。今回の講演では、福建における民間信仰の多様性を示す具体例として、神々が祀られている廟などのスライド写真も多数紹介されるなど、参加者にとって、非常に興味深い内容の研究会となりました。 

 なお、現在、林 國平教授は「中国福建と沖縄における民間信仰の比較研究」を行うため、国際交流基金のフェローシップを得て、1年間(2003年10月〜2004年9月)の予定で本学に客員研究員として滞在しており、南島文化研究所所蔵の歴史資料(上江洲家文書等)や窪文庫に含まれている民間信仰に関する文献の整理・分析を行っています。また、沖縄本島各地を始め離島にも足を運び、琉球での媽祖信仰の導入とその展開についての実地調査も行うなど、福建と琉球との民間レベルでの文化交流に関して精力的に調査を進めており、その研究成果に期待が寄せられています。
   


シマ研究会で講演する林先生
 
   
 
 
南島文化研究所
第8回 窪 徳忠 琉中関係研究奨励賞 授賞式
 
 このほど、2003年度の「窪 徳忠 琉中関係研究奨励賞」の受賞者に、海洋博覧会記念公園管理財団・首里城公園管理センター学芸員の上江洲安亨さんが決まり、その授賞式(本学・南島文化研究所主催)が3月5日、厚生会館4階ホールにて行われました。同賞は、琉球と中国との関係について研究する若手研究者に贈られる賞で、1996年度の賞創設以来、今回で8人目の受賞となりました。授賞式には、同賞の創設者である窪徳忠博士(東京大学名誉教授)も出席され、今回の受賞者である上江洲氏へお祝いと激励の言葉を贈りました。


研究奨励賞を受賞した上江洲安亭さん

 
 



産業総合研究所 第12回フォーラム −地域経済の活性化と関係主体−
 
 1月24日、本学産業総合研究所と琉球新報社との共催による「第12回フォーラム:地域経済の活性化と関係主体」が7号館201教室にて開催されました。今回のフォーラムは、「地方財政改革」という名の下に、中央依存型の思考から地域自律型の思考への転換と地域の固有性を前提とした経済活性化が迫られている現在、地域の構成主体である地方自治体・地域の産業・企業・地域住民のそれぞれが、地域のより良き発展のために何をなすべきか、また、何をなし得るかという点について考える契機となることを目的に開催されました。フォーラムでは、基調講演として、首都圏などの大消費地からの遠隔性や地理的・歴史的・文化的な固有性という点で共通項を有する3地域(北海道・鹿児島・沖縄)における経済活性化の取り組み事例について、長尾正克教授(札幌大学)・菅井憲郎教授(鹿児島国際大学)・富川盛武教授(本学・商経学部)の3氏から報告がなされました。

沖縄法政研究所 第9回 研究会 開催
犯罪のリスク化 / 私事化 −犯罪統制の変化−
 
 3月5日、沖縄法政研究所は「犯罪のリスク化 / 私事化 −犯罪統制の変化−」と題して、第9回 研究会を5号館で開催しました。今回の研究会では、講師役を務めた本学・法学部の小西由浩助教授から、犯罪の「リスク化と私事化」という視点に基づき、英米における犯罪統制の変化についての解説と今後の日本の動向についての言及がなされました。
 小西助教授は、犯罪統制の変遷として「事後対応型から事前抑制型」「加害者中心から被害者中心」「犯罪原因論から犯罪機会論」へという流れを紹介するとともに、犯罪予防に関する3つのランドマーク的研究として「防犯空間理論」「破れ窓理論」「状況的犯罪予防理論」等についての解説を行いました。

 
無料法律相談のお知らせ
 沖縄法政研究所では、主に沖縄国際大学の学生やその関係者の皆さんを対象にして無料法律相談を行っています。皆さんの身近にある法律上のトラブルや疑問について、法学部教員でもあり、また沖縄法政研究所の所員でもある法律の研究者が、それぞれ専門的な立場からアドバイスをいたします。なお、同法律相談は直接面談で行いますので、沖縄法政研究所に出向くことのできる方に限ります。どうぞご利用ください。
詳細については、
同研究所 098-893-9023へお問い合せください。

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