このほど、産業総合研究所は新規事業として、起業家志望の在学生・卒業生を対象に「起業家・育成支援セミナー」を実施しました。今回実施されたのは、同セミナーの「基礎コース」で10月29日から12月17日までの毎週・金曜日、計7回の講座に24名の学生が参加しました。各講座では、県内起業家の事例研究やビジネスプランの作成、起業化アドバイザーによる分析と専門的アドバイス、実際のインキュベート施設や実験店舗の見学・研究などが行われました。
同基礎コースの最終講義では、各受講者が独自に練り上げたビジネスプランの公開発表が行われ、受講生はそれぞれの事業内容や資金計画などについて説明。目玉となる取り組みを挙げて、他の同業種ビジネスとの差別化の方法についても解説し、各事業が如何に有望であるかをアピールしました。インターネットのオークション手続き代行や高齢者を対象にした料理の宅配サービス、輸入雑貨販売・パソコン教室の経営など8つの事業計画が発表され、評価に当たった中小企業診断士の大城定理さんと上地栄造さんは「全般的に事業計画が甘い」と指摘し、経営理念の大切さを強調しました。各受講生は、大城さん・上地さん両氏から「細かい数字の差し引きよりも、事業にかける情熱や想いの有無が、成功するかどうかを決める」というアドバイスを受け、再度、事業計画の練り直しに取り組んでいました。なお、この「起業家・育成支援セミナー」は、次年度以降も実施が予定されており、多くの学生の皆さんによるチャレンジが期待されています。 |
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11月2日、産業総合研究所は「金融政策に携わって −経済学の利用−」というテーマで、今年度 第4回目となる研究会を開催しました。今回は講師として、日本銀行の最高意思決定機関である政策委員会の田谷禎三・審議委員をお迎えし、この5年間、同氏が携わってきた金融政策の運営の実際について、様々な事例に基づく経験談が紹介されました。田谷氏は、「金融政策の運営に際して最も有力な武器となったものは、意外な事に、非常に基本的な経済学上の概念と分析フレームワークでした」と述べ、今回の研究会に参加した多くの学生に対して「皆さんが、今後どのような職業につくにしても、大学で勉強される基本的な経済学の概念や理論が、物事を考える上で非常に役立つ」とのアドバイスを伝えました。また、現在の景気動向に対する考えを示し、物価の安定を目指す金融政策の運営方法と実質的効果についての分析・解説を行うなど、学生や教員など参加者にとって、非常に有意義な内容の研究会となりました。 |
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