12月24日(金)、本学・産業総合研究所と宜野湾市商工会・宜野湾市共催による「産官学連携地域フォーラム」が、7号館201教室で開催されました。今回のフォーラムは「まちづくりで学に期待すること」と題し、宜野湾市の活性化を様々な分野から考え、産官学の連携の在り方や本学・産業総合研究所に期待すること・果たすべき役割について認識を深めるべく開催されました。
 フォーラムでは、先ず、仲地健助教授(産業総合研究所・専任所員)が「学」の立場から、本学及び産業総合研究所の活動報告を行いました。仲地助教授は、同研究所が地理的・文化的・歴史的特色を有する沖縄の自立的発展に寄与するための最重要課題として、「産官学の多様な人的ネットワークの拡充」と「学際的共同研究・産官学連携による共同研究の推進」を挙げました。次に、「産」の立場から宜野湾市商工会の野中正信事務局長が、宜野湾市内の商工業の現状について報告しました。野中事務局長は、特色ある企業の実例として(株)サンエー・(株)佐喜真義肢・(株)ファッションキャンディを挙げ、その企業活動の内容を紹介するとともに、「生産・加工・販売という均衡のとれた産業構造の流れを確立すべき」と指摘。また、「那覇や北谷と同様な街づくりをしてもパイの奪い合いになるだけであり、差別化を図らなければならない」と、特色ある「まちづくり」を提案しました。最後に、「官」の立場から宜野湾市の比嘉博基地政策部長が登壇し、同市の都市計画マスタープランを紹介。普天間飛行場の跡地利用について「今後も積極的に情報発信・情報公開を行い、様々な意見を募りたい」と報告しました。
 引き続き行われたパネルディスカッションでも、参加者から多くの提案がなされ、砂川徹夫教授(産業総合研究所・所長)は、「経営感覚を備えた学生の育成を図り、学生を積極的にまちづくりに参加させたい。企業・行政・大学が連携して地域の需要に応えることが必要である」と強調しました。

 このほど、産業総合研究所は新規事業として、起業家志望の在学生・卒業生を対象に「起業家・育成支援セミナー」を実施しました。今回実施されたのは、同セミナーの「基礎コース」で10月29日から12月17日までの毎週・金曜日、計7回の講座に24名の学生が参加しました。各講座では、県内起業家の事例研究やビジネスプランの作成、起業化アドバイザーによる分析と専門的アドバイス、実際のインキュベート施設や実験店舗の見学・研究などが行われました。
 同基礎コースの最終講義では、各受講者が独自に練り上げたビジネスプランの公開発表が行われ、受講生はそれぞれの事業内容や資金計画などについて説明。目玉となる取り組みを挙げて、他の同業種ビジネスとの差別化の方法についても解説し、各事業が如何に有望であるかをアピールしました。インターネットのオークション手続き代行や高齢者を対象にした料理の宅配サービス、輸入雑貨販売・パソコン教室の経営など8つの事業計画が発表され、評価に当たった中小企業診断士の大城定理さんと上地栄造さんは「全般的に事業計画が甘い」と指摘し、経営理念の大切さを強調しました。各受講生は、大城さん・上地さん両氏から「細かい数字の差し引きよりも、事業にかける情熱や想いの有無が、成功するかどうかを決める」というアドバイスを受け、再度、事業計画の練り直しに取り組んでいました。なお、この「起業家・育成支援セミナー」は、次年度以降も実施が予定されており、多くの学生の皆さんによるチャレンジが期待されています。
 
 11月2日、産業総合研究所は「金融政策に携わって −経済学の利用−」というテーマで、今年度 第4回目となる研究会を開催しました。今回は講師として、日本銀行の最高意思決定機関である政策委員会の田谷禎三・審議委員をお迎えし、この5年間、同氏が携わってきた金融政策の運営の実際について、様々な事例に基づく経験談が紹介されました。田谷氏は、「金融政策の運営に際して最も有力な武器となったものは、意外な事に、非常に基本的な経済学上の概念と分析フレームワークでした」と述べ、今回の研究会に参加した多くの学生に対して「皆さんが、今後どのような職業につくにしても、大学で勉強される基本的な経済学の概念や理論が、物事を考える上で非常に役立つ」とのアドバイスを伝えました。また、現在の景気動向に対する考えを示し、物価の安定を目指す金融政策の運営方法と実質的効果についての分析・解説を行うなど、学生や教員など参加者にとって、非常に有意義な内容の研究会となりました。

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