このほど、本学・日本文化学科と英米言語文化学科の学生3名(仲里源哲さん・金城都さん・上間春奈さん)が、中国・福建師範大学での日本語教育実習に臨みました。これまで、本学における日本語教育実習は主として、本学キャンパスで日本語を学んでいる外国人科目等履修生への授業の中で実施されていましたが、今回、初めての試みとして海外での教育実習が行われました。
 今回の実習は、2004年9月1日〜20日までの約3週間の日程で実施され、派遣された3名の皆さんは、福建師範大学・外国語学院・日本語系の2・3回生の学生を対象に「読解」や「会話」などの科目で4〜6コマの教壇実習を行いました。慣れない生活環境に加え、初めての海外実習ということもあり、実習生の皆さんは、授業以外にも様々な苦労を経験したようですが、受け入れ側の福建師範大学の先生方による親切な対応に支えられ、また、中国人学生の熱心な勉強態度に触発されるなど、日本語教育に対する新たな刺激が得られたようです。更に、現地では、かつて沖縄国際大学に留学していた中国人卒業生の皆さんが、わざわざ福建省に足を運び、実習生らを歓待するなど、新たな交流の絆が深められました。この海外日本語教育実習は、次年度以降も実施される予定となっており、本学における日本語教育の更なる質的向上と、福建師範大学との学術交流・国際交流に貢献するものと期待されています。

 今回、福建省への出発が9月初旬と決まってからは、事前に福建師範大学のテキストを実習生3名で回覧しながら事前の準備を行いました。現地での実習では、私は外国語学院・日本語系の3回生を対象にした「読解」の授業を担当しました。担当したクラスの学生43名は、皆、素直で明るく、勉強に対して非常に熱心でした。ほとんどの学生が早起きして日本語の朗読をしてから登校するそうです。卒業後の進路について聞くと「早く働いて親を安心させたい」という学生が多く、目標が明確にされているので予習・復習をしっかりするのだと思いました。授業中に質問・回答する際はきちんと起立するなど、授業態度は規律正しく真剣そのもので、また、休み時間になると必ずといってよいほど2〜3名の学生が近づいてきては、日本語の文法と語彙についての説明を求めてきました。放課後に空き教室で勉強している学生も数多く見かけましたが、ほとんどの学生は授業時間以外に4〜6時間勉強するとの事でした。中国人の先生に「学生は良く勉強しますね」と言うと「中国は競争社会だから、勉強しないと良い仕事に就けないのだ」と教えてくれました。このように、福建師範大学の学生から学んだことは、「納得するまで勉強する」ということです。外国語の文法を面倒がらず、一生懸命に勉強している姿には、正直、頭が下がる思いでした。
 今回の実習では、教案作成など苦労することもありましたが、中国の学生達の学ぶ姿を見て、私達が置き忘れた何か大切なものを思い出したような気がしました。これこそが、中国での教育実習を通して、私が学んだ一番大きな収穫です。短い期間でも、その国で生活して初めて、その国の本当の姿が分かるのだと感じました。観光では、決して知りえない人々の生活や人情に触れることができ、お互いの交流を深めることができた海外教育実習でした。



−宮古島・宜野湾市ともに大盛況−
 このほど、本学の芸能サークル「琉球芸能文学研究会」による定期公演「双葉踊り」が、宮古島と宜野湾市で開催されました。同研究会は、琉球芸能の実演を学び、体感することによって、歌詞や所作の意味を理解し、琉球文学研究に役立てることを目的に2003年3月に発足しました。以来、「双葉踊り」と銘打った公演を中心に、各地で日頃の練習成果を披露し、地域の皆さんとの交流活動を積極的に展開しています。
 12月10日に平良市・マティダ市民劇場で行われた宮古島公演は、立ち見も出るほどの大盛況で、艶やかな琉装姿のメンバーによる「四つ竹」を始め、宮古民謡「子守唄」やクイチャーなど多彩な演目が披露されました。12月22日に開催された宜野湾市公演も多くの観客が来場し、同研究会のメンバー約40名が勇壮・華麗な演舞と清澄・流麗な唄や演奏を披露するたびに、会場からは大きな拍手が送られました。同研究会の伊藤幸太会長(日本文化学科3年次)は「8月のヘリ墜落で会員も大きなショックを受けましたが、それに負けることなく稽古に励み、公演を迎えることができました」と今回の成功を喜ぶとともに、公演の開催に尽力した関係者の皆さんに感謝の言葉を述べました。

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