第33回卒業式 並びに 第7回大学院修了式が、3月18日午後1時、本学の講堂兼体育館で挙行され、学部 1,186人・大学院 32人の計1,218人が、就職や進学など各自の目標や夢に向かって巣立っていきました。
 
 
 
 渡久地朝明学長は告辞の中で、「人間は一生勉強です。人生の目標を持ち、それを実現するために力を尽くして下さい。そして、目標を実現するためには障害を乗り越えなければなりません。目標達成のための努力と忍耐を払えばストレートに夢が叶うという場合は稀で、多くの場合、人は自分の置かれた境遇を乗り越える努力から始めなければなりません。
 恵まれない境遇にあっても、それを嘆いてはなりません。『人生行路難し』といいます。どの人生も幸せに満ちてばかりではありません。もし逆境に遭遇しても決して押しつぶされずに智恵と勇気で克服し、それぞれの人生を輝かしいものにしてください。諸君のご活躍とご多幸を切に希望します」と述べ、卒業生を温かく激励しました。
 卒業生を代表して、英米言語文化学科の新垣美乃利さんは「期待と不安を抱えてスタートした大学生活でしたが、県内・県外、さらには国境をも越えた友人達との出会いがあり、刺激的で充実した日々を過ごすことができました。また、先生方の熱心な御指導のもと、学問の厳しさとおもしろさに触れる貴重な体験をし、自分の夢につながる知識を得て、自分自身の可能性を大いに広げることができました。現在の沖縄は様々な問題を抱えておりますが、私たちは沖縄国際大学で学んだことを誇りとし、自分自身で選んだ道を信じて、堂々とした歩みを続けていくことをお約束します」と力強く答辞を述べました。
 また、学業優秀で文化・体育活動の分野で活躍・貢献したと認められる者に与えられる学生表彰を、日本文化学科の津波古侑奈さんが受賞しました。本学開学以来、学生表彰された卒業生は、今回の津波古さんを加え、8人となりました。
 式典終了後、5号館ロビーと5号館前中庭では校友会主催の園遊会が催され、多くの在学生や父母も参加し、卒業生の皆さんを祝福しました。
 
総合文化学部 日本文化学科 津波古 侑奈(つはこ ゆうな)さん
2003年、本学3年次在学時に松永朋哉のペンネームで詩集「月夜の子守唄」を発表し、第26回山之口貘賞を受賞。本学の卒業生・宮城隆尋さんに次いで、2人目の学生受賞者となりました。学内では勉学に打ち込むとともに、文芸部の中心メンバーとして活躍。詩にとどまらず、小説・エッセイなど様々な創作活動を展開し、本学における文芸活動の評価を高め、地域との交流にも大いに貢献しました。
 つい最近入学したと思っていたら、もう卒業です。過ぎ去る時間の何と早いことでしょうか。この4年間は山之口貘賞の受賞をはじめ、いろいろなことがありました。その中で、私は「たとえ、どんなことがあっても腐らない」ということを学びました。今は理解されなくとも、自分の信じた道を歩いていけば、いつかは認められる −− そのことに気づいて本当に良かったと思います。
 良いことも嫌なこともたくさんありましたが、全てをひっくるめて、この大学生活は意義のあるものでした。最後になりましたが、私を励まし、支えてくれた文芸部の皆さん、顧問の大野隆之先生、友人、そして家族にお礼を述べたいと思います。本当にありがとうございました。 (津波古 侑奈)
 
 
大学院 地域文化研究科
人間福祉専攻(臨床心理学領域)
第1期修了生
中嶋 真理
 本学の大学院に入学してから、早いもので2年の月日が経ち、無事に修了の時期を迎えることができました。
 この2年間は、「臨床心理学」という分野を専門的に学んだ貴重な時間となりました。実際の現場で活躍されている先生方から様々な専門的技法を学び、病院や教育機関での実習や相談室活動を通して多くの人々と直接関わることができ、文字どおりの「臨床」を体験することができました。また、大学院のクラスでは、年齢も社会経験も多様な仲間と知り合うことができ、彼らとの交流を通して、多くの価値観に触れることができました。
 今回、沖縄国際大学の大学院・地域文化研究科・人間福祉専攻・臨床心理学領域の第1回目の修了生として卒業できることを大変うれしく思っています。そして、これまで私の大学院での研究生活を支えてくれた家族・友人・先生方に心から感謝したいと思います。本当にありがとうございました。
 これからは、人と関わる臨床の場で、この2年間の学びを活かし、更に新たな経験を積んでいけたらと願っています。
 
 
総合文化学部
人間福祉学科(社会福祉専攻)
第1期卒業生
西平 有希
 めまぐるしく過ぎていった4年間の中で、私は素敵な友人にも恵まれ、数々の思い出を残す事ができました。今思い出してみると、緊張や不安、夢や希望の入り混じった大学1年生の頃、私にとっては何もかもが初めての体験で、あれこれ試行錯誤しながら日々過ごしていました。
 社会福祉を専攻し、大学の授業だけではなく、ボランティアや現場実習、学外での講習会に参加することで、多くの人々と関わりをもつ事ができました。これらの経験をしたからこそ、実際に見えてくるものがありましたし、人の温かさに触れる事ができました。
 また、自分の将来についても少しずつ考えるようになり、4年生になってからは精神保健福祉士を目指してひたすら国家試験に向けて勉強する日々でした。毎日のように利用した図書館はとても環境がよく、集中して勉強する事ができました。4年間は瞬く間に過ぎていきましたが、仲間と共に楽しさを分かち合い、困難を乗り越え、積極的に様々なことに挑戦することで自分自身を大きく成長させる事ができました。
 これから大学生活を送る皆さんには、自分の夢や目標に向かって前向きに、そしてひたむきな努力を惜しまず、大学生活を送ってほしいと思います。
 
 
総合文化学部
人間福祉学科(心理カウンセリング専攻)
第1期卒業生
豊見山 ゆかり
 念願が叶い本学に入学してはや4年。素朴な興味から足を踏み入れた心理学の世界でしたが、その幅広さと奥深さは驚くべきものがありました。大学生活では、心理学の基礎的な知識に加え、心理療法やカウンセリングの理論・技法について学び、知覚・学習・発達・人格など様々な分野の心理学を幅広く勉強しました。心理学は私達の日常生活と密接に関係しており、心理学を学ぶことで物事の見方・考え方を柔軟にし、自己や他者についての考えを深め、自分自身をより豊かにしていくことができると感じました。3年次以降になると、実際に対象を用いて心理検査や心理実験を行い、学生同士で心理面接を練習するなど、自分自身で体験・実感しながら学ぶことができました。その他にも、先生方や大学院生の受け持つ実際のケースを手伝わせていただき、学外の機関でもメンタルフレンドとして不登校の子供たちと関わるなど大変貴重な経験をしました。卒業後は大学院で自分の興味・関心のある分野について、更に専門的・重点的に学び、修得した知識を生きた知識として臨床の場で役立てていきたいと思います。
 
 
本学・大学院卒業生が博士号を取得!
 このほど、本学・大学院の卒業生である比嘉正茂さん(29歳)が、明治大学から経済学博士の学位を授与されました。比嘉さんは、商経学部・経済学科を卒業後、本学大学院の地域産業研究科・地域産業専攻(応用計量経済領域)に進学し、廣瀬牧人教授の指導の下、沖縄県における所得格差の問題などについて研究。修士号取得後の2001年、明治大学大学院・政治経済学研究科・博士後期課程に進学し、主として地方財政学について研究を深めました。比嘉さんは「政策評価」をキーワードに、産業連関分析などの手法を用いて「地域開発と財政」について分析。その業績が今回の博士号取得に結びつき、今後も更なる活躍が期待されています。比嘉さんは、後輩の皆さんに対して「常に問題意識を持ち、積極的・能動的に動くことで学ぶことの楽しさが見つかります。楽しく勉強し研究を深めてください」とのエールをおくりました。
 
名古屋大学大学院・博士課程へ進学
 今回、本学・大学院の地域産業研究科を卒業した叶作 さんが、名古屋大学大学院・国際開発研究科・国際開発専攻の博士後期課程へ進学することになりました。叶さんは、中国・福建省福州市の出身で、1997年に来沖。日本語学校などで学んだ後、本学の商経学部・経済学科へ入学。2003年には大学院・地域産業研究科へ進学し、中国経済を主要テーマに同国の経済発展パターンを分析するなど、中国国内の各経済地域における産業構造と発展要因について研究を深めました。在学中には学会で論文発表も行うなど、今後の研究活動に大きな期待が集まっています。叶さんは「今後も目標を高く持ち、研究者の道を目指したいと思います。沖縄を離れますが、私にとって第二の故郷である沖縄の良さを、これからも多くの人に伝えていきたい」との抱負を述べました。
 
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