沖国大では、海外の6大学と姉妹大学協定を結び、学術交流や学生・教職員の相互受け入れなど積極的な国際交流活動を展開しています。2005年2月には、エジプトでの海外研修も実施しました。その研修の様子について御報告いたします。
 
 
 
「エジプト・カイロ大学 海外語学・文化セミナー」
実施報告 2003年12月に、エジプト・カイロ大学と本学との間で学術交流協定が締結され、今回、2005年2月10日〜24日(14日間)の日程で、第1回目の「海外語学・文化セミナー」をカイロ大学において実施することが出来ました。
 実施にあたっては、昨今のイラク情勢の影響が懸念されましたが、今回8名の学生が参加し、引率者として宮城邦治教授(国際交流センター所長)と私(伊佐)、そして引率同行者のイブラヒム・エルサムニー氏(本学・非常勤講師)の計11名で、エジプト・カイロ大学を訪問しました。
 カイロ大学にとっても、海外協定校から今回のような語学・文化セミナーを受入れるのは初めてとのことで、我々はカイロ大学総長をはじめ、副総長・文学部長及び日本学科長など多くの関係者から熱烈な歓迎を受け、今回のセミナーがスタートしました。セミナーでは、第1週目を「アラビア語会話」「エジプトの社会」及び「エジプト史と文明」の講義で構成し、第2週目に古代エジプトの遺跡見学を行いました。キザとその周辺のピラミッド群・スフィンクス・エジプト考古学博物館でのミイラ、ツタンカーメンの秘宝などエジプト5,000年の歴史を目の当たりにし、そのスケールの大きさに感動しました。また、エジプトはアジア・アフリカの2大陸を結び、地中海・紅海そしてナイル川を擁する、地理的にも歴史的にも大いなる魅力に富んでいる国であるという事に改めて気づかされました。
 セミナーを通して、本学の学生達は、日本や沖縄とは多くの点で異なるアラブやエジプトの社会観・宗教観・倫理観等を肌で感じ、毎日が刺激的な経験の連続となりました。また、カイロ大学・日本語学科の学生達との交流を通して、互いの文化を理解し、尊重し合うことの大切さを身をもって学ぶことができました。
 カイロ大学からは、日本の中でも独特な文化を持つ沖縄との今後の交流に期待するとの声も寄せられており、今回のセミナーを契機に、より充実した国際交流が展開出来ればと思います。そのためには多くの課題・諸問題を的確に処理する必要があります。最後に、このセミナーの期間中、あらゆる場で三味線・太鼓を使い沖縄の伝統芸能を披露し、草の根的な国際親善を行った本学学生諸君に敬意を表すると共に、本学セミナーの受入れにご尽力頂いたカイロ大学総長 Dr. Ali Abdel Rahman氏、文学部長 Dr. Ahmed A. Zayed,氏、日本語学科長 Dr. Karam Kahlil氏、日本語学科 Dr. Ahmed M.F.Mostafa氏 及び スタッフの皆さんに深く感謝し、実施報告といたします。
(国際交流センター課長 伊佐 裕)
 
エジプト研修を終えて
社会文化学科 3年次
宮城 綾乃
 今回、私は2月10日からの2週間、エジプトでの「海外語学・文化セミナー」に参加しました。私は幼い頃からエジプトに興味があり、また、本学で「アラブの文化」という授業を受講し、ある程度、イスラム教について勉強していたので、自分の目でそのイスラム教文化を見ることができると思うと、居ても立ってもいられませんでした。しかし、私にとってエジプトはとても遠い国でもありました。これは、距離的な問題もありますが、実際は精神的にとても遠い国だと感じていたからです。様々な想いを抱いての出発でしたが、長旅の末にエジプトに着いた時はとても感動しました。
 エジプトについて3日目から、カイロ大学でのアラビア語の研修が始まりました。私はアラビア語の知識がほとんど無かったため、初めはとても緊張しましたが、授業はすべて日本語で行われたので安心しました。授業はとても楽しく、カイロ大学の学生達と一緒に受講したりもしました。私たちと一緒に授業を受けたのは日本語学科の学生達でしたが、その日本語の実力はかなりのもので、日常会話には全く支障がない程でした。彼女達は積極的なので、すぐに友達になれました。私達は授業や休み時間を利用して、互いに交流を深め、クラスでは私達が持っているイスラム文化への疑問や、カイロ大学の学生が抱いている沖縄への疑問を討論形式で話し合ったりもしました。基本的にカイロ大学の学生はとても積極的で、授業時間以外でもいろいろ質問するなど、沖縄や日本の文化に興味があるということが強く感じられました。放課後は、学生同士でナイル川をクルージングしたり、友達になった子の家に遊びにいったりもしました。友達の家ではベリーダンスを見せてもらい、一緒に踊ったり、エジプト料理までごちそうになりました。ベリーダンスは難しかったですが、みんなで楽しめました。
 私はこの研修で、イスラム教について更に多くのことを学びました。私にとって、今回の研修は、異文化に触れるいい機会となり、また、エジプトを知ることで改めて日本という国について考えさせられました。そして、アラビア語にも更に興味が湧きました。私は、カイロ大学で学んだことをきっかけにして、これからもアラビア語の勉強を続けたいと考えています。そして、またエジプトに行きたいです。その頃までには、日本語でなくアラビア語で話せるくらいになっていたいです。
 
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