2005年11月19日(土)に、西原町中央公民館において、第27回南島文化市民講座が開催されました。本講座は、沖縄の戦後60年を、沖縄文学を通して検証していくという趣旨のもと、4名の講師による講演がありました。
 まず「沖縄戦後文学60年−文学と状況」というテーマで、大野隆之所員(総合文化学部教授)の講演がありました。大野隆之所員の講演は、1950年代以降の米軍の占領政策による政治状況と文学との関係について、わかりやすく整理した内容でした。とくに大城立裕と『琉大文学』との関係については、戦後沖縄文学を考える上では、避けては通れない課題であることが再確認されました。
 次に登壇した追立祐嗣所員(総合文化学部教授)は、「現代沖縄文学に見られる意識のニ面性−アメリカ黒人文学との比較を中心に」というテーマで講演を行いました。追立祐嗣所員は、現代沖縄文学とアメリカ黒人文学との類似点を、比較文学の視点から論じました。大城立裕の『カクテルパーテイ』とラングストン・ヒユーズの『教授』については、「二重意識」と「仮面性」について、目取真俊の『水滴』とトニ・モリスンの『ピラウド』については、「シュールレアリズムの手法」と「共同体への眼差し」の視点から比較検証を試みました。
 3番目に登壇した塩月亮子氏(日本橋学館大学助教授)は、「再魔術化する世界と沖縄文学」というテーマで講演いたしました。内容については、沖縄におけるシャーマニズムと文学との関係を、文化人類学的アプローチで分析したものでした。とくに「カミダーリ文学」「ユタ文学」にみられる現代の沖縄文学からは、沖縄の社会構造ばかりでなく、「オリエンタリズムと沖縄」といった視線が読み取れることが説明されました。
 最後は、「沖縄文学の表象−その女性像を通してみる〈戦後沖縄〉」というテーマで、与那覇恵子氏(東洋英和女学院大学教授)による講演がありました。与那覇恵子氏は、戦後沖縄文学について、「アイデンテイテイ」「伝統」「米軍基地」といった沖縄文学を表象する事象を、女性の視点から分析を試みたものでした。
 

 
図書館ワークショップ
〜資料収集が論文作成のカギ!!〜
 
 
 6/20〜7/8の期間、図書館ワークショップが行われ延べ263名が参加しました。
 Part1は「図書の探し方」で、OPAC(オーパック)、Webcat(ウェブキャット)、相互協力サービス、その他データベース検索方法などを、Part2は「論文資料収集方法」で、CiNii(サイニィ)などのデータベース活用方法などを紹介しました。
 実施後のアンケートにこんな感想がよせられました。「OPACをはじめ、Wikipedia(ウィキペディア)、WebcatPlus(ウェブキャットプラス)など、これからの卒論または卒論以外のことにも使えるし、たくさん活用していこうと思っています。これらのツールを知ることが出来てよかったです。でも、もっと前から知りたかった・・・」(Part1受講者)、「レジュメがカラーで見やすく、説明もわかりやすい。実習のときも、スタッフが大勢いて質問しやすい。Part1・2共に日数や時間帯が多く設けられていたので参加しやすかったです。ためになったけど、参加人数が少ない気もしました。論文作成にすごく役立つと思うので、新入生オリエンテーションくらい皆に受けてもらったほうがいいんじゃないかと思いました。」(Part2受講者)
 次回は、平成18年度6月実施予定です。開催日時は図書館掲示板&図書館Webでお知らせいたします。次は、ぜひあなたの感想を聞かせてください!
 
平成17年度 論文・エッセイコンテスト
最優秀賞1点、優秀賞2点、
佳作3点決まる
 
 図書館主催の「平成17年度論文・エッセイコンテスト」の表彰式が12月16日(金)、図書館のAVホールで行われました。今回のコンテストには7点の応募がありました。図書委員会で厳正な審査が行われ、最優秀賞1点、優秀賞2点、佳作3点が選ばれました。
 最優秀賞に総合文化学部日本文化学科4年次知念綾香さんの「絵本のなかの暴力−昔話絵本『かちかちやま』の自主規制をめぐって−」に決まりました。最優秀賞が出たのは平成15年度以来で、平成元年にこの賞を設けてから通算4人目となります。
 優秀賞には商経学部第一部経済学科4年次の野原康大さんの「ロケ地“オキナワ”に、沖縄の経済発展と環境保全を見た」と、総合文化学部日本文化学科3年次の小野智子さんの「『サンダカン八番娼館−底辺女性史序章−』−平等の女性史−」が選ばれました。
 佳作には、法学部法律学科4年次の新里麻実さんの「ぼくは生きている」、総合文化学部英米言語文化学科2年次の前原雅基さんの「「心」はつくれるのか」、そして、総合文化学部英米言語文化学科2年次の上原三矢子さんの「教育者を目指す者として」が選ばれました。
 表彰式では、稲福日出夫図書館長から、入賞者に賞状と副賞が贈られました。引続き稲福館長と図書委員から作品についての講評が行われ、最後に受賞者から喜びの感想がのべられました。
 
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