沖縄法政研究所 第6回 公開シンポジウム

 6月29日、「近隣諸国から見た日本国憲法改正の動き」をテーマにして、第6回公開シンポジウムを開催した。今回は、韓国の全南大学から閔炳老(ミンビョンロ)法科大学助教授、澳門大学日本研究センターからは張集歓(チョウシュウカン)専任講師、台湾東海大学からは社会科学院法律学科蕭淑芬(ショウシュクフン)助理教授を講師としてお招きした。基調講演では、閔氏は「朝鮮半島の平和と日本国憲法の改正問題」と題して、張氏は「マカオで日本語を学んでいる学生の対日意識―現在の改憲及び日中関係を中心として―」と題して、蕭氏は「新しい人権の発展の相違―日台比較―」と題して講演し、日本国憲法の改正問題が、朝鮮半島の平和にとって、マカオで日本語を学習している学生にとって、また新憲法制定の動きのある台湾にとって、どのような意義があるのかについて分かり易く説明した。
 基調講演を受けた第二部のパネルディスカッションでは、法学部の伊志嶺恵徹教授がコーディネーターとなり、井端正幸(本学法学部長)、屋良栄作(那覇市議会議員)を加え、合計5人のパネリストにより活発な討論が行われた。
 日本の憲法・国家構造の改正・変革が、日米安保や東アジア共同体構想の問題にどのような影響を及ぼすのか、また安保条約による日米同盟路線を維持したまま日本が憲法を改正して「普通の国家」になることは、東アジアの近隣諸国並びに日本国と日本国民にとってどのような意義をもつのかを考える上で興味深い内容だった。

シンポジウム写真 シンポジウム写真
閔炳老(ミンビョンロ)法科大学助教授  

第28回 南島文化市民講座

東アジア文化圏の諸相
−琉球・韓国・福建の自然環境と基層文化

 11月11日、本学7号館において第28回南島文化市民講座が開催された。本講座は、南島文化研究所と国際学術協定を締結している韓国全南大学校湖南文化研究所と中国福建師範大学中琉歴史関係研究所の研究者を招いての初めての開催となった。今回は、琉球(沖縄)を含む東アジアの自然・文化に焦点をあてた幅広い分野をテーマに報告があった。
 講座は、前後半部に分かれ福建師範大学中琉歴史関係研究所の謝必震教授による「来華琉球留学生と儒学の琉球における伝播」、方宝川教授の「明朝期における福建信仰文化の海外伝播の背景と特徴及びその影響について」、外字正維教授の「琉球王国における海洋文化の歴史的特色について」といった報告があり、本研究所、小熊誠所員による「沖縄文化における中国文化の影響−福建の宗族と沖縄の門中の比較研究−」報告があった。後半部では、全南大学校湖南文化研究所の崔大羽教授による「姜外字の衛道精神と日本での儒学伝播」、金東洙教授の「韓国における対琉球関係史研究の現況の検討」、金貞禮教授の同時代的日常の発見と詩的コミュニケーション」と題し報告された。最後に南島文化研究所を代表して名城敏所員による「韓国済州島土壌の特性」が報告された。
 当日は130人余の市民の参加があり、多くの活発な意見・感想が寄せらた。

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福建師範大学 中琉歴史関係研究所 所長 謝必震 全南大学校 湖南文化研究所 所長 崔大羽

〈産業総合研究所主催〉
第9回 研究会開催

 11月18日、図書館4階AVホールにて「沖縄産農産物のブランドの確立と栽培履歴情報システム」をテーマに産業総合研究所主催第9回研究会を開催した。
 現在、地域を越えた生産が比較的容易な農産物などの地域特産品のブランド化に際しては、トレーサビリティシステム、特にその前提となる栽培履歴情報システムの導入は、極めて有用であると考えられる。
 そこで、今回の研究会では、上地哲氏((株)デジタルあじまぁ代表取締役)、桃原清一郎((株)がんじゅう代表取締役)の二人を講師に招いて、沖縄県産農産物のブランド化に果たすトレーサビリティシステム及び栽培履歴(肥育履歴)情報システムの役割について、報告が行われた。最後には、参加者を交えた活発な質疑応答が行われ、消費者の食の安全・安心に対する関心の高さを窺い知ることができた。
 また、流行の消長に影響されることなく高い競争力を持った沖縄産品(沖縄ブランド)を確立するとともに、維持・強化するための実行可能な選択肢を検討する上で、非常に有意義な研究会となった。

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モーツァルト生誕250年記念行事開催
オペラ作品連続上映会とギター演奏会の夕べ

 平成18年度図書館文化活動の一環として、モーツァルト生誕250年に因み記念の行事を図書館AVホールで開催した。モーツァルトのオペラ作品4作を11月20日から24日まで(23日の勤労感謝の日を除く)の4日間連続で上映した。行事最終日の25日は、本学卒業生の佐野周作氏と県内で活躍するクラッシクギター界の第一人者、牧野哲二氏によるギター演奏会を行った。オペラの上映作品は、『フィガロの結婚』『魔笛』『コシ・ファン・トゥッテ』『後宮からの誘拐』で、ギター演奏では、オペラ作品に因んだ曲を中心に現代曲もまじえ17曲演奏され、アンコールに沖縄メロディーも加えるなど盛況だった。
 佐野周作氏は、2005年3月、本学を卒業しており、中学・高校の英語教員免許を取得している。父の仕事の都合で幼い頃より海外で暮らす。特にイギリスには15年以上住み、その間にバーミンガム音楽院(UCE)のクラシックギター専攻を卒業している。現在、那覇市久茂地にあるライブハウス「ギターラ」で毎週第一土曜日に定期演奏を行っている。
 牧野哲二氏は、昭和52年九州ギター音楽コンクールにて沖縄県から初の第3位入賞者で、オージス(OAGS:沖縄ギター芸術協会)を設立し、県内ギターの向上発展を図ると共に、ギターサークルの育成と指導に努めている。

演奏会の様子
佐野周作さん(左)、牧野哲二さん(右)

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本学図書館にて就業体験

 今年度は、本学図書館に普天間高校・浦添高校・嘉数中学校の3校から、計13名の生徒が就業体験に訪れました。生徒達は、職員から指導を受けながら、本の収集や整理、入館指導を行いました。就業体験を通して、「考えていたより、仕事が多くて大変だった」「貴重な体験ができてよかった」「とても楽しかった」と、感想を述べていました。

就業体験の様子
普天間高校2年生のみなさん