大学設置の増加、国立大学の法人化、18歳人口の継続的減少、2007年大学全入時代の到来等私立大学を取り巻く経営状況は厳しさを増しており、平成18年度においては、大学で約40%、短期大学で約51%が定員割れであり、入学定員充足率が50%以下の学校数は17大学、16短期大学にのぼる。さらに、消費支出が帰属収入を20%以上超過している学校法人は30大学法人、16短期大学法人に達している。このように、近年の私立大学を取り巻く経営環境は大幅で急速な変化を遂げているが、厳しい競争環境の中で、本学が競争優位を獲得し、そして、それを維持・発展させるためには、本学は絶え間なく教育・研究の質的充実・向上を図るとともに財政基盤の強化を図らなければならない。
 このような私立大学を取り巻く経営環境の現状認識と問題意識に基づいて、本学が今後とも大学の社会的役割を十全に果たしうるように学部及び大学院の教育・研究の質的充実・向上を図ることを基本方針として、平成19年度においては27項目の新規事業を計画する。事業計画はその計画内容によって個別構造計画と個別業務計画に分類される。前者の個別構造計画は経営の基本構造の変革・変更に関する戦略的意思決定であるのに対して、後者の個別業務計画は、現有の経営構造を前提とした経常的な業務活動の変更・改善に関する戦術的な意思決定である。なお、平成19年度事業計画は、中長期5ヵ年経営計画(自平成19年4月1日至平成24年3月31日)と連動した形で策定される。
 
 
1 13号館建設 2 事務組織の統合改編
 
 
1 教育・研究に関する事業

(1)入試の改善
(2)自己点検・評価活動の結果の大学改革への
  フィードバック・システムの構築
(3)大学院の教育・研究施設・設備の改善
(4)CALL教室のユビキタス学習対応化
(5)太平洋学術会議へのセッション設置と参加
(6)産業情報学科専門教育支援施設機器導入
(7)経済学部教育改革に関する総合的調査
(8)環境科学実験室の整備
(9)模擬法廷の設置

2 情報化に関する事業

(1) 情報コンセントの整備・拡大
(2) 文庫・新書コーナーの設置
(3) ヘリ墜落事故関係資料コーナーの設置
(4) オンデマンドプリンティングシステム設置
(5) 共通認証システムセキュリティーの強化
(6) 証明書発行機の増設
(7) 専用線の強化
(8) PC教室・CALL教室の複合機能の増設
(9) グループウェアのリプイス
(10)セキュリティー関連機器及びソフトウェアの導入
3 国際化に関する事業

(1) 国際交流の促進
(2) 海外留学生支援制度の確立

4 学生サービスに関する事業

(1) 奨学金の整備
(2) 福祉総合支援室の設置


5 法人業務に関する事業

(1) 職員のキャリア形成の強化
(2) 米軍ヘリ墜落による旧本館に関する事業
 
 
1.予算編成の基本方針

 私立大学の財政上の基本的課題は教育・研究上の要求と財政上の諸条件の持続的調和を図ることであり、大学の教育・研究上の理念・目的の実現を頓挫させるような財政的疎外要因を除去し、その理念・目的を着実にかつ持続的に追求することを可能にするような健全な財政活動を営むことである。このような、私立大学の教育・研究条件の充実・発展の原動力として財政の重要性の認識のもとに本学の財政の適切な運営を図ることを目指して、次の5点を平成19年度の大学経営の基本方針として平成19年度の予算を編成する。
 
(1)本学の理念・目的のより一層の実現に向けて、学部及び大学院の教育・研究の質的な充実・向上に努める。
(2)収支均衡の財政運営を図る。
(3)借入金に依存しない財政運営を図る。
(4)自己資金が調達できる限度内での施設設備の投資を行なう。
(5)各課の経常予算要求額は、原則として過去3年間の決算額の平均額とする。