沖縄国際大学 平成16年度 点検・評価報告書

本   章


第11章 学生生活への配慮

大学・学部・大学院の学生生活への配慮
(1) 学生への経済的支援
【現 状】
 学生の経済的支援として学部生及び大学院生へ奨学金の貸与と給付業務を行っている。日本育英会の行う奨学金と本学関係奨学金、さらに学外からの資金提供を受けて給付する奨学金も取り扱っている。
 日本育英会奨学金と本学関係奨学金は応募者多数のため(本学関係奨学金は返済不要のため高倍率)学部では募集説明会を行っている。大学院では特に説明会を行っていないが、疑問や質問がある場合は学生課厚生係へ問い合わせるよう大学院掲示板に掲示している。
 学部ではできるだけ多くの学生が説明会に参加出来るように配慮してるが、どうしても説明会を受けられない学部生は、学生課へ申し出るよう学部掲示板に掲示している。
 概要は次の通り。

1.奨 学 金 一 覧
区分
区 分
種 類
種別
金    額
給 付 条 件
募集
対象




特待奨学金
給付
授業料及び施設設備資金相当額 学業、人物ともに優秀な学生
/
一般
奨学金
第一種
給付
授業料相当額 学業、人物ともに優秀で経済的理由により修学困難な学生 学部2年次以上
第二種
給付
授業料の半額
体育
奨学金
第一種
給付
授業料相当額 学業、人物ともに良好でスポーツ技能が優秀でかつ経済的理由により修学困難な学生 学部1年次〜4年次
第二種
給付
授業料の半額
第三種
給付
授業料の1/4相当額
研究生
奨学金
第一種
給付
授業料相当額 学業、人物ともに優秀でかつ学術的研究意欲がある学生 研究生に限る
第二種
給付
授業料の半額
大学院奨励奨学金
給付
授業料の半額 学業、人物ともに優秀な学生 大学院1〜2年
国内協定校派遣留学奨学金
給付
授業料の半額 学業、人物ともに優秀な学生 学部2年次以上
国外協定校派遣留学奨学金
給付
授業料及び施設設備資金相当額 学業、人物ともに優秀な学生 学部2年次以上






外国人留学生奨学金私費外国人留学生授業料減免援助金
授業料
減免
授業料(年間)の50%減免 正規課程に在籍し、「留学」の在留資格を有する私費外国人留学生で経済的理由により就学困難な者 学部・大学院
長濱眞徳博士記
念大学院奨学金
給付
\100,000(年額) 学業、人物ともに優秀な学生 大学院1年〜2年
平敷令治大学院
奨学基金
給付
\100,000(年額) 学業、人物ともに優秀で地域文化研究科に在学する学生
沖縄国際大学
校友会奨学金
給付
\100,000(年額) 学業、人物ともに優秀で経済的理由により修学困難な学生 学部2年次以上
沖縄国際大学
後援会奨学金
給付
\100,000(年額) 学業人物が優秀で、交通事故、災害等 で就学困難で緊急支援を要する学生 学部・大学院
高宮廣衞奨学基金
給付
\100,000(年額) 学業、人物ともに優秀で社会文化学科の学生 学部2年次以上
安里源秀奨学基金
給付
\100,000(年額) 学業、人物ともに優秀な学生 学部2年次〜4年次






平良文太朗奨学基金
給付
\100,000(年額)
学業、人物ともに優秀で英米言語文化学科の学生
3年次〜4年次
嘉数武松外国人留学生奨学基金
給付
\120,000(年額)
学業、人物ともに優秀な外国人学生
学部2年次以上
金秀グル−プ奨学金
給付
\100,000(年額)
学業、人物ともに優秀で経済的理由により修学困難な学生
学部2年次以上
南西石油 鰹ァ学基金
給付
\100,000(年額) 学業、人物ともに優秀で経済的理由により修学困難な学生 学部2年次以上
蒲ョ球冷機奨学基金
給付
\100,000(年額)
学業、人物ともに優秀で経済的理由により修学困難な学生
学部2年次以上










日本育英会第一種奨学金(無利子)
貸与

学部/自宅
¥53,000(月額)
自宅外
\63,000(月額)
大学院\87,000(月額)
*自宅・自宅外区別なし

学業、人物ともに優秀で経済的理由により修学困難な学生
学部・大学院
日本育英会きぼう21プラン奨学金(有利子)
貸与
学部/3・5・8・10万より選択(月額)
大学院/5・8・10・13万より選択(月額)
学業、人物ともに優秀で経済的理由により修学困難な学生
学部・大学院
財団法人沖縄県人材育成財団沖縄県奨学金
貸与
\45,000(年額) 学業、人物ともに優秀で経済的理由により修学困難な学生
県内に本籍又は住所を有する者
交通遺児育英会奨学金
貸与
一般/\50,000(月額)
特別/\60,000(月額)
保護者等が道路における交通事故で死亡したり、著しい後遺傷害で働けない理由により教育費に困っている家庭の子女
学部
沖縄県交通遺児育成会奨学金
給付
\240,000(年額) 保護者等が道路における交通事故で死亡したり、重度後遺傷害者となり第1級から第4級までの障害手帳を持っている保健者の子女
沖縄県内に本籍を有する者全学部




















財団法人ロータリー米山記念奨学金
給付
学部¥120,000(月額)
大学院(博士・修士)\150,000
日本国外の国籍を有し、学業・人物ともに優秀で心身ともに健全な学生
学部・大学院
私費外国人留学生
学習奨励費
(財団法人日本国際教育協会)
給付
学 部\52,000(月額)
大学院\73,000(月額)
私費外国人留学生で、学業・人物ともに優れ、かつ留学生活を続けていくたために経済的な援助を必要とする者
学部・大学院
国費外国人留学生奨学金
給付
\142,500(年額) 学部(4年生)最終学年(4年次)に進級する私費留学生の中から学業成績が優秀な者
学部4年次
財団法人平和中島財団外国人留学生奨学金
給付
学部\100,000(月額)
大学院\120,000(月額)
学業・人物ともに優れ、心身が健康である者、かつ国際理解及び我が国との友好親善の推進に寄与できる者
学部・大学院
ライオンズクラブ国際協会在沖縄外国人留学生奨学金
給付
\60,000(年額) 経済援助を必要とする自費留学生
学部

 本学学部では特殊な奨学金として特待奨学金制度がある。学生が応募するのではなく各学科年次ごとに、成績及び人物優秀者1人を教授会で選考し決定される。平成14年度は18人採用され、各教授会で特待奨学生の表彰が行われた。採用されると授業料及び施設設備資金相当額が給付されるため、学生にとっては名誉ある奨学金であるとともに経済的に優遇され、学生生活を有意義に過ごすことができる。
 その他学部で応募できる奨学金については、一般奨学金、体育奨学金、研究生奨学金などがある。また本学は、国内外の大学と交換留学の協定を結んでおり、学部留学生に対する奨学金制度もある。留学したくても経済的に厳しい学生を対象に奨学金を給付している。
 大学院には研究奨励奨学金、篤志家から資金提供を受けた奨学金がある。
 一般奨学金と大学院奨励賞奨学金は高倍率で厳しい選考が行われる。選考方法は基本的に日本育英会奨学金の選考規程に準じているが、一般奨学金は指導教員の推薦書、体育奨学金は顧問教員の推薦書が必要となる。人物評価は奨学生募集受付時の窓口対応状況も加点にして厳しい選考を行っている。
 本学関係奨学金は、本学奨学金が8種類、篤志家及び団体等からの奨学金が12種類ある。応募者520人の中から一般奨学金は57人、体育奨学金は70人、篤志家・団体等奨学金は22人が採用されている。
  日本育英会奨学金については、第一種奨学金(無利子)が531人、きぼう21プラン(有利子)が951人選考され貸与されている。
 経済的に修学困難な学生を対象にアルバイト情報も提供している。アルバイト学生を募集する業者は本学所定のアルバイト受付票に条件等必要項目を記入し、学生課窓口へ直接提出するか、ファックスまたは郵送で提出する。その際、学生にふさわしい仕事か、危険が伴わないか、最低賃金法を遵守しているか等をチェックして良質のアルバイト情報を学部生及び大学院生に提供している。
 本学では学生寮がないため、県外及び離島等から入学する学部生及び大学院生を対象に情報を提供している。大学周辺のアパート所有者や不動産業者の協力を得て、学生課で調査し、所定様式に写真と略図を添付しアパ−ト情報ファイルを作成して、希望する学生にアパ−ト情報を提供している。遠方からの問合せについては、資料を郵送している。

【点検・評価】
 奨学金の周知は、『学生便覧』に奨学金規程や制度を掲載したり、学部・大学院掲示板に掲示することによって行っている。学部では応募説明会を実施している。説明会への参加者応募者はともに年々増加している。多くの応募者の中から選考された奨学生は、学部生・大学院生としての誇りと自覚と責任を持ち、奨学生として相応しい大学生活を営んでいる。奨学金制度は、支給額の違いはあるものの安定した学生生活を送る上で経済的に大きく評価している。
 大学院では「大学院学生複写機使用内規」に基づき、研究活動に伴う資料収集活動の便宜をはかる目的で、学年度初めにコピーカード(2,000 枚分)を無料で配付し、共同研究室、研究所及び図書館の複写機を使用することができる。また、学生の参考図書購入費として、毎年各研究領域に3万円を予算化し、学生の研究活動の支援を行っている。
 学部学生生活実態調査報告書(平成13年度)によると、9割弱の学生がアルバイトをある程度必要と答えており、また、8割強の学生が何らかのアルバイトをしていると答えている。大学生活において、アルバイトは避けてとおれないことがわかる。アルバイトの紹介にあたっては、常に学業との両立に心掛け、業務の内容、労働環境、安全性などの条件を十分考慮して自分の能力にあった職種を選ぶよう指導している。また、求人を受け付ける際に内容を確認することで、安全で経済的な支援を心がけている。
 学生に相応しいアルバイト情報を提供しているので、学生は自分にあった仕事を選び、求人先と交渉することができる。問題としては、本学以外の者が求人情報を利用する場合があり、求人先へは本学の学生であることの確認を要請している。

【改善・改革方策】 
 学部の一般奨学金と研究科の大学院奨励奨学金は、高倍率の応募があり、厳しい選考が行われている。成績優秀で修学困難な学生が多数いる現状にも関わらず予算上の制約があり、高倍率の早期解消はきわめて厳しい状況にある。外部からの奨学金獲得のため、本学創立30周年を記念して新しい奨学金制度を創設するため、卒業生や企業訪問等を行うなど資金提供の呼びかけを行っている。さらに文化系奨学金の創設も検討している。
 奨学金の給付条件には、成績優秀という条件があるため、経済的にのみ修学困難とされる学生に給付のチャンスは無い。奨学金を給付することによって成績向上が見込まれる学生の援助も今後は検討していくべきであろう。
 大学院生の約半数の学生が有職者で、後の約半数が職を持たず、親からの支援とアルバイトで学費をまかなっている。有職者も家計を支える必要から経済的に厳しい状態にあり、その上研究テーマの現地調査研究費の出費もあり、応募者多数で高倍率の奨学金の見直しを検討しなければならない。
 アパート情報は、入居者の好みや諸条件の違いなどから、できるだけ多くの情報を提供するようにしているが、アパートを探す時期が集中するので空室状況の把握が困難である。

(2) 生活相談等
【現 状】
 学生の心身の健康保持・増進のための施設として医務室を設置している。医務室は、学生課に所属し、スタッフは、2名の専任保健係(看護師)、3名の非常勤校医、2名の非常勤カウンセラー(男女各1名、臨床心理士の資格を有する)で構成されている。主な業務には、定期健康診断、保健指導(健康診断後の事後措置も含む)、健康相談(身体に関する相談)、応急処置及び学生相談(主に精神や心理に関する相談)などを行っている。また、慢性疾患、精神障害、身体障害など、何らかの疾患を持ちながら在学している学生のサポートも行っている。校医及びカウンセラーの相談日は、毎月、掲示板に掲示している。最近の学生の問題点として、過労、睡眠不足、生活リズムの変調等によって自ら健康破綻を招いているケースが増加しつつある。また少子化にともない、親の過剰期待や過保護のため自立が遅れている学生も増加しつつある。これらの学生は、心身がひ弱で少々のストレスでも心身の不調を訴えて来室する事例が多い。
 学生生活全般に関する相談は、学生の所属する担当教員及びそれぞれ関係する部署の各学内窓口で対応しているので、ここでは、主に学生課及び「医務室内学生相談室」で行っている学生相談についてふれたい。「学生相談室」という独立した物理的空間があるわけではなく、実際の活動は医務室を間借りする形で行われている。例えば非常勤臨床心理士による個人カウンセリングは臨床心理士の勤務時間に限って医務室の一部を利用して行っている。学生相談は学生課窓口と医務室で対応し、臨床心理士との連絡調整は主に医務室が行っている。他には「学生部だより」『学生便覧』にも掲載している。
 平成12年度に全学的組織である学生相談室運営委員会が設置され、平成13年度に現状の把握と今後の活動に対する要望の把握を目的とした、「学生相談室の利用に関するアンケート」を全学生及び教職員を対象に実施した。その結果、次の点が明らかになった。@学生の多くは相対的に健康であり、現時点でのカウンセリング希望者は7%であるが、82%の学生が必要が生じた際には学生相談室を利用することを希望している。A学生相談室の全学生を対象とした成長支援プログラムとして、講演会や進路就職に関する相談を希望している学生が多い。B学生相談室を利用するにあたっては、親しみやすさと気軽さを求め、またプライバシーが守られることを望んでいる。さらに気軽に訪れることができるよう、担当者が学生相談室に常駐することを求めている。学生相談室の活動についての認知度は27%しかない。C教職員による学生相談室の認知度は高いものの、活用する術については、熟知していない。また学生の心理的悩みや対人関係上の問題について、教職員が予想以上に個別相談に応じていることが明らかになった。
 学生相談室の活性化に向けて、平成13年度より次の事業を新たに開始した。@学生相談室の活動や利用方法を学生及び教職員に周知するために「学生相談室案内」というパンフレットを作成し、全教職員及び新入生に配布した。また教務課や就職課及び図書館等学生の利用が多い部署にパンフレットを常備した。A学生の所属学科や学年を越えた人間関係づくりと、他者に自らの体験や意見を伝えることによって心理的に成長することを目的としたグループ・ワークの場、即ちティー・アワーを6回実施した。これは、毎回異なるテーマを取り上げて参加学生とコーディーネーターがフリートークするもので、101名の参加があり、好評を得ている。B新入生の呼び出し面談については、従来行っていた「アンケート」の質問票の内容及び回収方法を改め、学生相談室運営委員会より学科長及び教務課職員へ依頼する方法をとり、その結果、回収率が90%台へ大幅にアップした。呼び出し面談を必要とする学生も増加したため、保健係(看護師)の面談機会を増やし、カウンセリングが必要と思われる学生をカウンセラーへ紹介した。C学生相談室の活動を積極的にPRするとともに、相談室運営委員が持ち回りで学生に語りかけるミニ・メッセージを「学報」へ掲載することを始めた。学生相談室に関わる問題点もいくつかある。@学生相談室の受付と医務室窓口と同一なので、声をかけにくそうにしている学生がいる。可能な限り、別室にて話を聞くようにしているが、途中他の学生が来て、中断させられることがある。Aまた相談のために来室しても、カウンセラーの予約が一杯で、1ヶ月待たされることがあり、キャンセルする学生がでている(平成13年度が25名、平成14年度が17名)。Bカウンセラーがいない曜日に来室する学生も多く、保健係が対応した件数は平成13年度が129名、平成14年度が170名に達している。C緊急な対応が必要となった学生に対しては、学生課職員が中心となり、カウンセラーや保護者と連絡をとりながら、学生が所属する学部の教員、学生相談室運営委員等へ連絡調整し迅速に対応する。今後このような学生の増加が予想される。それとともに地域医療機関と連携関係をつくるかが問題となる。Dティー・アワーを継続して開催することは必要だが、場所の確保と開催時期の調整等の問題がある。
 セクシュアル・ハラスメント防止対策については、平成12年度に大学として規定の整備を行い、「沖縄国際大学セクシュアル・ハラスメント防止のための指針」を制定した。学生教職員への広報は、掲示板をとおして断続的に行っている。また、防止のために学生懇談会、職員研修会等を通して啓発指導を行うこととしている。相談窓口は基本的に医務室のスタッフ及びインテークワーカー有資格職員が行い、実際に救済の申し立てがあった場合は、学生相談室運営委員を中心に調査委員会を設置し、適切な処置を行うこととしている。

【点検・評価】
 医務室の定期健康診断の受診率は、50%台を維持しているが、受診する学生数が増え、それに伴う事後措置や健康診断証明書発行等の事務処理も増えた。平成13年度より教務課と情報センターが中心となって、各種証明書類の発行が機械による自動発行となった。それに伴い、健康診断証明書も自動発行が行なえるようになり、学生及び医務室スタッフにとって有益であった。
 医務室を利用する学生を目的別にみると、「応急処置」が過半数を占めるが、「健康相談」、「カウンセラーによるカウンセリング」、「保健係による心の相談」、「休養室利用」などが増加しつつある。また、医務室ロビーには、各種身体測定器具や全身マッサージ機器を設置しており、健康に関するパンフレットや雑誌なども自由に閲覧できるよう配慮している。以前は、医務室は「病気の人が行くところ」というマイナスイメージがあったが、最近は、「特に病気でなくても、気分転換や居場所として利用する場所」というように認識が変わってきていることは、好ましい傾向であると思われる。
 学生相談室では平成13年度より非常勤カウンセラーが1名から2名に増員し、学生の相談件数が100件を超えた。また、教職員や保護者へのカウンセリング及びコンサルテーションも増加した。相談内容も精神心理相談がほとんどであったが、心身の健康、対人関係、心理性格、進路修学、学生生活と項目が増え多様化している。これは、前記の活動内容によって、認知度がアップしたためと思われる。
 学生相談室関連の評価できる点としては、ティー・アワーへ参加した学生が、仲間を引き連れ、定期的に医務室ロビーに足を運ぶ回数が増えたことにより、学生相談室のイメージが明るくなり、気軽に相談できる雰囲気になった点である。また、他の部署との学生に関する情報交換や連携もうまく行っている。

【改善・改革方策】 
 改革の為の方策は次のとおりである。@学生に健康的な生活習慣を確立させるために、保健指導や健康教育を実施することは大切であるが、一般情報だけ与えるだけでは、なかなか受け入れてもらえない。そこで、応急処置等の日常ケアーで来室した時やロビー利用で立ち寄った時などに、自然な形で声をかけるなどして、身近な保健指導や健康教育を実施することが重要だと考えられ、実際それを実行しつつある。そのために、日頃から気が向いた時にいつでも気軽に来られる雰囲気づくりを心がけたい。A学生への対応の時間を確保するために、増加しつつある事務処理の効率化を図ることも必要となる。また、情報化の波に乗り遅れることがないよう、近い将来導入計画がある学生情報管理支援システムを取り入れ、健康管理に活用することが重要になると考えられる。そのためには、学内と学外の関係機関との交流及び連携をさらに密にすることが必要になる。
 また、学生サービスとして学生相談室の活動を充実させるには、平成13年度に実施した「学生相談室利用に関するアンケート調査報告書」を活用し、学生相談室運営委員会の効率的運用を行い、次の点を検討することが求められよう。@学生のプライバシーを最大限守れるようにするため、現在の医務室から独立した学生相談室を設置する。A来談する学生の主訴に基づいて学内の各部署及び教職員に相談の道筋をつけたり、学生の話をサポーティブに聴いたり、ティー・アワー等の企画運営を担うことのできるスタッフ(インテーカー)を学生相談室へ配置し、さらに個別の心理的問題への対応を充実させるためにも臨床心理士の勤務日数や勤務時間の拡充などを図る。B「全学生を対象とした成長援助プログラム」の充実を図る。C緊急に対応が必要となる学生の増加に対応するため、学内相談ネットワークの確立を図る。また、本学地域文化研究科人間福祉専攻の大学院生のための実習施設として学内に設置が予定されている「心理相談室」との連携や、地域医療機関との連携体制を確立する。
 現在のところセクシュアル・ハラスメントに関する救済の申し立てはないが、セクシュアル・ハラスメントが皆無であるとは考えにくい。しかし、学内環境は常に明るく、警備員も常駐しているのでセクシュアル・ハラスメント防止に役に立っているとも考えられる。しかし、セクシュアル・ハラスメントと関連しそうなストーカ等の相談は少なからずあり、油断は禁物である。相談窓口の在り方に問題がないか検証することや、パンフレットを作成し、より一層の教職員・学生への啓蒙活動を展開していく。
 研究科の院生については社会人が過半数を占めているためか、医務室の利用状況は、学部学生に比べ極端に少ない。例えば、定期健康診断に関しては、受付時間を19:30まで延長するなど配慮しているが、受診率は15%と低い。カウンセリングを希望しながら、「課題のレポート作成や発表などが多く時間が取れない。」という院生に対しては、夏期及び春期休暇期間中に臨時カウンセリングの日を設けるなどの配慮を行っている。
 学部学生に対しては大学生活に必要な事項を詳細に記載した『大学便覧』を印刷製本して配布しているのに対し、大学院学生向けの大学院学生生活に必要な事項を網羅的かつきめ細かに記載したパンフレットや便覧等は今のところない。大学院生に対して特別な配慮をしている訳ではないが、生活相談・セクシャル・ハラスメント対策等学部学生と同様な配慮を行っている。

(3) 就職指導
@ 就職指導の状況
【現 状】
 学部学生の就職指導については、就職委員会で承認を得て就職関係年間行事計画に基づき、きめ細かく指導している。その一方で演習担当教員による一般的な心構えや進路指導、個人相談等も行われている。専任教員による就職試験対策講座、就職指導ガイダンス(理論編)、公務員試験対策講座、教員試験対策講座、一次試験合格者に対する二次試験対策講座等が実施されている。特に二次試験対策講座については、卒業生も多数受講し好評である。また就職課では、昨今の人間性を重視する採用方針に焦点を絞り、学科担任制を設け、模擬面接等にあたっている。各学科の学生が模擬面接或いは就職相談で来課したときは、迅速に対応できるようにしている。
 大学院の就職指導については、学部同様に進めており、特別に指導方法がある訳ではない。求人票については、大学院を特別に分けているのではなく、同一用紙を用いて、各関係機関へ求人をお願いしている。

【点検・評価】
 全体として、就職意識の高い学生はかなり早い時期から就職課に足しげく通い、的確な
情報とアドバイスを得て、適切な職業選択をしている。就職活動において、まめに進路相談や個人相談にやってくる学生は、常にきまった学生が多い。一部の学生に限ることなく、就職指導を全学的にどのように強化できるか、効率的な方策の検討が迫られている。
 本学の大学院は、地域文化研究科、地域産業研究科、法学研究科の3つの研究科で構成されており、文化系の大学院である。約半数の大学院生が職に就いており、現在の職場において更に磨きをかけ、高度専門職業人を目指して入学している。
 職を持たない約半数の大学院生の場合、就職先を研究職或いは教員を目指しているのが実状である。求人の受入については特別に大学院生を優先するという受け入れ先は殆ど見受けられない。いわゆる「専門知識を求めない」企業が数多く存在しており、大学院生の企業への就職先も受難の時代であることが伺われる。
 就職希望先では、学部同様、一般企業のインターンシップを希望する学生或いは中小企業を受ける者も多数おり、大学院は修了したものの、「自分は何を目的に大学院に入ったのか」先細りする学生が見受けられる。ただし、企業等の学校推薦或いは一次面接をクリアした者については、多数大学院生が入っており、受入側がより高い技術や知識を求めている証拠といえよう。

【改善・改革方策】
 就職指導を一就職課に任すだけでは、就職率のアップは望めない。全学的な取り組みによる就職指導体制の確立が急務である。入学時から講義やオフィスアワーを通して、「職業観」「就職観」「人生設計」のあり方を話題にし、就職意識を高めるのが肝要である。少なくとも3・4年次の演習担当教員は学生の進路に関する情報を把握しておき、就職課と連携をとりながら適切な指導助言を与えていくことが望まれる。
 また社会で活躍中の卒業生35,000余名の人脈ネットワークを活用し、校友会員、就職課職員、就職委員で企業訪問を展開するのも得策であろう。
 就職課の整備として今後、求人依頼件数を県内、県外ともこれまで以上に増やし、学生に利用しやすい資料室、閲覧室にしなければならない。約5,000名規模の大学としては、現在の就職課資料室は、年々増加する企業案内、大学院資料、就職関係図書、各種試験参考書等の保管には支障をきたしており、今後の対応として資料室の増設が望まれる。更なる就職意識の高揚を図るため、年間行事の改革も、情報化時代に乗り遅れないよう、時代に即したものにしていきたい。
 基本的な対策講座は正規のカリキュラムに組み込み、講座内容を充実させることが肝要である。
 18歳人口の激減により、大学の特色を存分に出さなければ今後生き残ることはできない。就職指導もその一環として捉えなければならない。キャリアアップのためのサポート体制を築くための本年度開設(平成15年度)されたエクステンションセンターの設置は有効であり、地域への貢献、学生への支援が期待されている。また、即戦力となりうる就職対策講座の充実、一般社会人への教育貢献等を含めて全学的な取り組みによる就職指導体制、大学支援体制の確立も急務であろう。
 全国平均40%前後の大学が既に導入しているインターンシップ(職場体験)もいよいよ平成15年度より本格的に開始されることになっている。これまで本学では平成9年度より法学部が特殊講義(インターンシップ)として実施していたが、昨今の社会のニーズに応えるべく、全学的に導入することとなった。この実習は、本学の学生を約2〜3週間、地域の企業、官公庁の出先機関、市町村、各種団体等にあずけ、組織の機能と具体的業務について体験学習を行うものである。理念は、実社会での体験学習をとおして、大学教育では得難い実践的知識と技能を習得し、社会人としての自己の適性を見定め、職業観を確立することにある。卒業後数年以内の高い離職率が問題化されており、その適切なマッチングが学生、受入側双方から求められている。インターンシップは医師、美容師、教員、その他の職種において実施され、双方において有効に機能しており、今後の就職率改善或いは離職率の改善が期待される。
 大学全体像としては今後3・4年次の演習担当教員も企業との関わりを密にし、就職課と連携をとりながら適切なアドバイスを与えていく必要が求められよう。
 大学院におけるティーチングアシステント(TA)制度は、有効だと思われる。これは大学院学生が学部学生或いは地域に対して、教員の補助として側面から行うもので、将来、研究者・教員になるためのトレーニングの機会でもあり、また社会への貢献も多大であり、是非実現したいものである。
 沖縄県内企業の資質の向上を図るためにも大学院生は専門性がより有効に働くことと思われ、大学側も受入側の協力を得ながら、大学院生向けに企業説明会、就職ガイダンス等を特別に開設し広報に努める必要性がある。今後、大学院生向けの新たな雇用開拓の必要性が出てこよう。また、ここ数年来、学生の学力低下が叫ばれており、現在の大学生の学力は以前の高校生レベル、高校生は中学レベルだという指摘もある。しかし一概に学力不足だけでなく、物の考え方、見方などでさまざまな角度から学生を捉えた上で、大学院生に対してもキャリア教育が必要性であろう。
 基本的に、人間の道徳教育は幼児期における父母の教育が最も重要だとみなされ、その頃が最大の効果を発揮すると言われている。しかしながら昨今の経済事情、社会情勢などの変化のため、夫婦共働きが日常化しており、子どもと父母とのコミュニケーションが殆ど成されていないのが実情であろう。自分自身を見つめる機会が少なくなってきている現状では、他人に左右されやすい性格になりやすくなっており、成長しても自分はどのような人間で、これから何に向かって進まなければならないか分からず、人生に迷っている学生(若者)が大多数と思われる。大学においては、今後ますますキャリア教育の充実が重要な課題になると思われる。
 このような中、社会人として一歩を踏み出しながら適応できず、3年以内に仕事を辞める確率が3割以上いるといわれている。そのためかどうかは不明だが、沖縄県は9%前後の失業者を抱えている。特に若年者の失業率は20%余に達している。しかし、求人は多くよせられている。ただ、学生のブランド志向が強く小企業の良さ、魅力が学生に理解されていないのが実状である。
 本学校友会では平成11年度より積極的に大学の就職支援に乗りだしており、大学としても校友会と連携をとりながら、卒業生が在職する企業を訪問し多くの求人が得られるよう活動を展開中である。
 遅蒔きながら大学における人生教育(キャリア教育)は専門科目と同時に重視されるべきものと確信する。本学においても「人生と働く意義」「社会における人間の役割」などについて、是非ともカリキュラムの中に位置づけて欲しいものである。

A 卒業生の就職状況
【現 状】
 例年、本学卒業生の就職希望地域は、圧倒的に県内志向が強く、県外への就職希望者は非常に数少ない。卒業生の約9割が県内での就職を希望している。平成15年3月31日現在、県内の企業から本学に寄せられた求人数は748人で、前年度より41人増加した。県外の企業からは2,773人の求人があり、前年の2,112人に対して、661人の増である。平成14年度の就職状況は、630人の就職希望者の内、378人が決定し、就職率は60%であった。
 ここ数年来の特徴として、不景気に加えて安定性の高い公務員、教員への就職希望者が増加の傾向にある。平成14年度は公務員合格者が64人で、教員合格者は42人であった。教員合格者は、昨年に比べて8人も減少しており、公務員合格者も4人の減となった。

【点検・評価】
 平成14年度の本学卒業生の就職希望者は、630人である。本学に求人依頼のあった企業は県内206社、県外401社である。前年度と比較すると、県内で16社増えたが、県外では109社の増となった。県内企業から本学に寄せられた求人数は748人である。県外からの求人数は2,773人である。昨年度と比較して702人の増である。
 平成14年度の有効求人倍率は、県内で約0.3〜0.4倍、県外で1.2倍台である。この数字からすれば県内就職希望者は、10人の内3〜4人前後しか就職できない状況である。また、この求人数は本学卒業生のみを対象とした求人数ではなく、本学以外の大学の卒業生も対象としているので、実質的には更に厳しい状況下にあるといえる。厳しい就職戦線を勝ち抜くためにも、早期の就職活動とその指導が望まれる。

【改善・改革方策】
 本土と沖縄の地理的環境、生活習慣の違いから県外就職を敬遠する学生が多い。
 先に述べたように本学では、公務員・教員への就職希望者が年々増加の傾向にあるが、新卒の合格者は、ほぼ横ばいである。これは、もちろん最大の原因は雇用状況の悪化にあるが、その他に、学生の就職意識の低さによる影響も考えられる。就職浪人をしながら公務員・教員対策をしている場合が少なくない。特に女子学生の就職は厳しい状況にある。
 企業から求人があっても一人の応募者もいない場合がある。自己の適正や能力に応じた職業選択をするよりも、企業名に対するこだわりが依然として強いようである。
 卒業年次の学生に対しては、全教職員が一丸となって、就職活動に協力することが必要である。つまり、各教職員が就職相談、進路相談、面接指導等を積極的に実施することが肝要である。
 就職課としては、求人依頼文書の送付先を県内・県外とも増やし、県内・県外から送付された求人票を資料室以外にも掲示板を設置して求人票の公開を行いたい。また、現在の就職課資料室は、年々増加する企業案内、大学院資料、就職関係図書、各種試験参考書等の保管に対応することができず、現在の資料室を2倍の面積に増設することが望ましい。
 学生の就職意識の高揚を図るために、現在就職課で実施している年間行事計画を見直し、大学全体で就職に対する手立てを抜本的に検討する時期にきていると考える。

B 資格試験・就職指導・就職対策の諸講座等
【現 状】
 就職課が関わっている資格試験としては、将来、即戦力となる、@英語検定試験(2級、準2級)、A簿記検定試験(1級、2級)、B販売士資格検定(2級)、C宅地建物取引主任者資格試験、Dシスアド資格取得講座がある。これまでのところ、受験者は多いが、合格者が少ないというのが実状である。その主な理由は、開講コマ数の不足である。現在、本学の専任教員、または外部からの派遣講師に依頼し、各講座10コマ前後開講しているが、資格取得講座としては、非常に少ないコマ数である。
 資格取得講座の数は少ないが、本学においては、以下のような数多くの指導・対策講座を開設している。
1. 就職指導講座
  @ 就職基礎マナー講座(実践編)
外部専門講師を招聘し、実践マナー講座を実施
  A 就職指導ガイダンス(理論・実践編)(5月・11月)
年2回実施。マナーも含め、履歴書の書き方、自己表現、プレゼンテーション、身だしなみ、話し方、姿勢等の指導
  B インターンシップ事前セミナー(7月)
学生が職場実習を成功させるために、受入れ側の負担は甚大である。そのために事前学習として、マナーを中心に実施。挨拶、身だしなみ、注意事項、応対、電話対応マナー、人間関係マナー、コミュニケーション等の指導
  C 就職指導ガイダンス(理論編)(11月)
歴代学生部長経験教員による、就職指導講演を実施。学生部長としての過去の経験を生かして、就職のノウハウを実施
  D 就職準備セミナー(2月)
学外専門講師による社会人としての一般マナー講座
2. 就職指導講座
  @ 公務員採用試験対策講座(英語)(5月)
本学英米言語文化学科教員を講師として、対策講座実施
  A 公務員採用試験通年対策講座(年間)
公務員である国家U種、地方上級、市町村、警察官Aを中心に対策講座を実施。
内容は、一般教養・文系と一般教養・理系、専門・文系と専門・理系に分かれ、2人の外部講師が指導
  B 時事問題対策講座(4月)
本学経済学科教員を講師として、公務員の時事問題対策講座を実施
  C 就職論作文直前対策講座(4月)
公務員、企業向け試験直前講座を本学日本文化学科教員が指導
  D 就職論作文対策講座(11月)
公務員、企業向け論作文対策講座を本学日本文化学科教員が指導
  E 教員採用試験対策講座
本学教科専門教員が指導。
国語、英語、中学社会(地理・歴史・公民)、高校地理・歴史・日本史・世界史、高校公民(経済・政治・倫理)、商業、教育方法、教育原理、教育法規、教育史・教育思想、教育心理学基礎編、教育心理学心理編、教職教養
3.進路指導講座
  教員採用試験対策講座とは別の、本学教科専門の教員によるボランティア指導
  @ 教職専門教科指導
国語、英語、中学社会、高校地歴、高校公民、商業
  A 公務員進路指導講座
公務員
4.公務員・教員採用試験二次対策講座
  @ 国家公務員対策講座、A 裁判所事務官、B 労働基準監督官、C 国税専門官、
  D 沖縄県職員(上級)、E 沖縄県職員(中級)、F 沖縄県警A、
  G 沖縄県教員(国語)、H 沖縄県教員(英語)、I 教員情報処理実技対策講座
 その他学内支援として、(1)在学生先輩から後輩への「就職内定者体験報告会」と「就職未内定者相談会」、(2)学内へ大手企業の人事担当者を招いて行う、「企業説明会」、(3)社会人のマナー、接遇、年間活動計画を指導する「就職ガイダンス」、(4)最近の公務員、企業の採用動向を指導する「公務員ガイダンス」「企業ガイダンス」、(5)本人の適職を検査する「SPI適性検査」「R−CAP適性診断」、(6)公務員、教員を目指す学生への「就職模擬試験」、(7)各種国家公務員制度の「公務員制度説明会」、(8)卒業生を招き「OB・OG就職研究会」、(9)市町村、企業への「求人開拓」、(10)特に本学の特徴である学科担任制を敷き、課長から係りまで学科割り振りをし、何時でも迅速に面接が行えるように「学内模擬面接」、(11)校友会による支援体制の確立などがある。具体的な支援として校友会員へ就職協力の依頼をし、学生、校友会員、大学就職委員会委員、就職課職員で大規模な企業訪問を展開し多くの就職を勝ち取るための支援に乗り出した。
 企業の早期求人活動に伴い、本学においても2年次の早い時期から就職ガイダンスを実施し支援態勢にのりだしている。なお、主な年間就職行事は次のとおりである。

主な年間就職行事
月   日
行    事    内    容
10月下旬 3年次学科別就職ガイダンス(『就職の手引』配布)
10月下旬 2年次学科別就職ガイダンス(『就職の手引』配布)
11月上旬 一般企業採用試験の傾向と対策及び公務員試験ガイダンス
11月上旬 R−CAP適性診断テスト
11月中旬 就職指導ガイダンス(理論・実践)
11月中旬 就職内定者体験報告会(内定をきめた先輩の活動方法をチェック!)
11月下旬 就職フォーラム(講演会及びパネルディスカッション)*学外開催
12月上旬 就職模擬試験(一般常識、作文)
12月上旬 4年次就職未内定者相談会開始
2月上旬 SPI適性検査
2月中旬 就職講演会(就職マナー、面接について)
2月下旬頃 就職試験対策講座開始(教員、公務員、資格試験)
4月上旬頃 国家公務員採用試験制度説明会
4月上旬頃 裁判所事務官採用試験制度説明会
4月下旬 就職指導ガイダンス(理論編・実践編)開始
5月上旬頃 教員採用試験制度説明会
5月中旬頃 警察官採用試験制度説明会
5月中旬 国家U種、地方上級、教員採用模擬試験
5月中旬頃 中小企業家同友会による講演会及び模擬面接
5月中旬頃 OB・OGを招いての就職研究会
6月中旬 県外就職の翼
6月中旬 教員、公務員二次試験対策講座
随 時 求人票公開、会社説明会、就職相談、模擬面接、セミナー

【点検・評価】
 簿記検定試験、英語検定試験等については、大学祭や各種行事と重ならなければ、本学会場での受験が可能であり受験者の数は例年多い。
 先に述べたように本学では、公務員・教員への就職希望者が年々増加する傾向にあるが、新卒の合格者は、全体的にほぼ横ばい状態にあるにもかかわらず、例年本学は健闘している。特に教員合格者は例年約50人を輩出している。本学で取得できる教科(中学国語、中学英語、中学社会、高校国語、高校英語、高校地理・歴史、高校公民、高校商業)については、沖縄県の新任教員の約30%を本学が占めている。これも就職課が行っている教員対策講座が多少とも貢献していると思われる。今後ますます強化していきたい。

【改善・改革方策】
 資格・採用試験等の受験者が多いにもかかわらず、ここ数年、合格率が低迷している。おそらく日常の学業や課外活動に追われて準備不足のまま試験に臨んでいるからだと思われる。現在、各種の資格や検定試験については、指導やガイダンスが行われ、対策講座も設けられているが、正規の授業時間割とかち合うなど不都合が生じている。その是正策として、基本的な対策講座を正規のカリキュラムに組み込み、進級と同時に年間のスケジュールの把握ができればと考えている。それによって講座内容をさらに充実させ、時間的な余裕を持って指導にあたることができるだろう。

(4) 課外活動
【現 状】
 建物総面積2,830uの3階建のサークル棟には、50のサークル室をはじめ、共同使用室、ラウンジ、シャワー室、暗室、管理人室などがある。サークルの配置は、1階にスポーツ系、2階からは文化系を配し利便性を考慮した。音楽系の部屋は防音設備を施し、安心して練習に打ち込めるように配慮した。全室が冷暖房完備である。
 各体育系クラブは年間2〜3回の県外遠征があって多額の費用を要するため、大学が県外派遣費及び大会参加料を補助している。その他にも大学祭補助費、学外ゼミ費等を交付している。
  なお、平成14年度における体育系クラブの活躍は、硬式野球部が九州地区大学野球選手権大会においてベスト4に進出し、女子バスケットボール部は、全日本学生バスケットボール選手権大会(インカレ)に出場した。柔道部では、女子の津波古貴絵が全国女子柔道体重別選手権大会に出場した。陸上部では、宇茂佐隼人がおきなわマラソン大会において2位の成績をあげた。

【点検・評価】
 サークル棟は、昭和60年に学生の課外活動の拠点として建てられた。1階には棟内の円滑な運営を図るために管理人を配置し、共同施設等の使用願い文書の受付を始め、サークル棟と学生課との諸連絡や定期的な棟内の巡回指導を行っている。文科系サークルは大学祭やボランティア活動などで活躍し、体育系サークルは、県内はもとより九州地区代表として全国大会へ出場し活躍するチームもあり、その活動拠点としてサークル棟は有効に利用されている。
 体育系クラブ学生の活躍が新聞等で報じられることで、一般学生の課外活動に対する興味を刺激し、課外活動の活性化に繋げている。しかしその一方で、体育系クラブの一部学生が学業について行けず、受講態度が悪いとの指摘がある。そのため、体育系サークル学生を対象とした研修会、講演会を実施し、その救済方を図っている。

【改善・改革方策】
 体育系クラブにおいては、県外遠征費への自己負担が大きく、県外遠征費補助金を増額することにより経済的負担の軽減を図るように検討する。
 また、講演会やクラブ間の意見交換の場を積極的に開催し、学生の資質向上を図り、また自ら問題点を話し合いながら解決の糸口を探る一助とする必要がある。文化系クラブにおいても、活躍しているクラブには一般活動補助金を増額し、経済的負担の軽減を図るようにする。